配達証明よりも本人限定受取の活用を - 年金不正受給者特定のための郵便活用

所在不明高齢者に係る年金の差止めについて |報道発表資料|厚生労働省」(8月5日厚生労働省)から。

1.所在不明高齢者に係る現況申告書の取り組みのその後の状況
○ 所在不明高齢者に係る不正受給問題については、後期高齢者医療を1年間継続して利用していない76歳以上の年金受給者について、その現況を確認するため、平成22年11月に現況申告書を送付し、その結果、消息がわからない方等の年金の差止めを行ってきたところです。
(平成23年2月4日に2月定期支払いでの状況について公表)

○ その後、さらに健在確認の取り組みを進め、平成23年4月・6月の定期支払いにおいて差止めを行ってきたところですが、今般、8月定期支払いまでの状況についてとりまとめましたので、概要を公表します。

<現況申告書の回答状況の概要>

  • 現況申告書の送付対象者 341,312人
  • 提出者    331,213人

 うち年金受給者本人は既に死亡との回答があったのは、  2,239 人(*)
(*) 2,239人のうち2,171人については、別途、年金の死亡届等による通常の失権処理や支払いの差止処理が行われています。
 うち年金受給者本人の消息を知らない・本人と連絡が取れないとの回答があったのは、577人

  • 未提出者 7,000人(注)
  • 未送達者 3,099人(注)

(注)市町村からの健在情報がない者(5,232人)について日本年金機構による訪問調査(4〜7月)を実施し、健在かどうかを確認

<2月定期支払い以降の差止め対象者の概要>
 2月定期支払い以降に現況申告書の提出のあった方で、死亡、消息を知らないと回答のあった方及び現況申告書が未提出・未送達等により健在が確認できなかった方について、平成23年4月・6月の定期支払いで137人(※)について年金の差止めを行ったところであり、8月定期支払いにおいては、220人(※)について年金の差止めを行います。
(※) 別途、年金の死亡届等による通常の失権処理や支払いの差止処理が行われている方等を除いた人数です。

2.死亡判明等により年金の過払いが判明した場合は、遺族に対し年金の返還を求めています。


 厚労省報道発表資料の(別添)によれば、年金受給者に送った現況申告書の返信がない場合、その督促を郵便オプションサービスの配達証明で送っていたという。

 現況申告書の様式は、日本年金機構のサイトで確認できる。申告書は、本人自書を求めており、それができない場合には代理人が行う、また、「虚偽の記載をした場合には、法律の規定により罰せられる場合があります。」という注記はある。

 もしこれが、年金不正受給者宅(本人が健在又は連絡可能な状態でないにもか関わらず、本人以外の者が受給している。)に届いた場合、注記など無視して、易々と虚偽記載をするだろう。

 そのような者への対応として、厚労省は、(別添)によれば、後期高齢者医療の利用情報を活用し、約33万人の中から、昨年とあわせて2年間全く利用していない者を対象者として選定し、対象者に対して、日本年金機構の職員による訪問説査を実施する、としている。

 厚労省のこの取り組みには、継続して努力をそそいで欲しいが、一つ提案をしたい。


 現況申告書の督促に配達証明とわざわざ特記しているが、最初に現況申告書を送付した際には普通郵便だったのだろうか。

 後からの機構職員訪問調査のコスト(人件費と時間)をかけるよりも、郵便オプションサービスの本人限定受取-特定事項伝達型を使えば、日本郵便・郵便局に年金受給者本人の所在・健在をさせた方が、コストは安くつくのではないだろうか。

 実は、配達証明の付加料金(書留料金に加え、もう300円)よりも、本人限定受取(書留料金に加え、もう100円)の方が安いのである。

 だったら、少なくても、現況申告書督促の段階から、配達証明よりも本人限定受取を使っていた方がよかったのに。

 このこと、厚労省日本年金機構は、知ってるんだろうか。