ライムスター宇多丸がもっとも嫌いそうな、現実世界のことではない前提が映画の背景に置かれている。その点で、あまり主人公たちの感情には入り込めなかった気がする。
けれども、映画を観ながら思った。
この映画は、人間は、何らかの犠牲の上に立って生かされて、やがて死ぬ、ということについてのおとぎ話。
東日本大震災で地震ではなく原発で避難を強いられている福島の人たち。彼らが犠牲にしなければならない、日常、生活、仕事、家畜、風景、土地、風習、あらゆることに、想いが飛んだ。
今回の震災に限ったことでなく、私は、いろんな、ひと、いのち、おもいがあって、生かされている。