ビッグブラザーは 日本には いない。

 保護観察の引き継ぎが今もってファクスにより行われているという現在。NIKKEI NET 18日から

 少女監禁事件で保護観察の引き継ぎミスが発覚した青森保護観察所は18日、記者会見し、職員が…容疑者の転居書類を東京保護観察所にファクスした際、市外局番の「03」が正常に発信されていなかったことを明らかにした。

 通信記録には「03」ではなく「3」と印字してあった。…観察所所長は、外線に接続する場合はゆっくりボタンを押さないと番号を認識しないケースがあると釈明した上で「初歩的ミスで申し訳ない」と陳謝した。

 別の観点から、asahi.com 18日から

 青森保護観察所は小林容疑者の事案を移送するため、東京保護観察所へ所在確認を求めるファクスを送ったが機械がうまく働かず、未送信のままになっていた。着信したかどうかの確認もしていなかった。

 5月下旬になっても東京からの回答がないことに気づいた青森保護観察所が問い合わせ、ファクスが届いていないことが判明。最終的に事案が東京へ移送されたのは6月21日だった。

 南野法相は「事務手続き上の怠慢があり、遺憾だ」とする談話を発表した。

 このことから推察されるのは、全国にいるのであろう保護観察被処分者に関する情報は、紙切れベースである、ということ。

 法務省保護局における保護観察の説明では、

 保護観察は,社会で通常の生活を営ませながら,改善更生を促そうとするものですから,保護観察を受けている人が保護観察中の約束事を守らず,行状が著しく悪くなって,そのまま放置すれば再び犯罪や非行に陥るおそれがある場合には,少年院や刑務所に収容する手続を採ることもあります。他方,保護観察の成績が良好で,社会の善良な一員として立ち直ったと判断される場合は,保護観察期間満了前でも保護観察を終了させるなどの措置を採ることがあります。

とあるが、保護観察の成績も紙ベースであることが類推される。今回の青森から東京に引っ越した被処分者の成績もファックスしてたのだろうか。
 折しも、受刑者出所情報を法務省から警察庁に提供するという計画が進んでいるらしいが、これどのような手段で行われるのか。

 政府が人名漢字の同定に難儀しているようでは、この情報提供制度にしても、人物特定に支障を来したりして、出所者の再犯者抑止監視も立ちゆかないのではないか。


 住民基本台帳ネットワークが整備されたご時世であるにもかかわらず矯正行政は全国オンライン化さえしていなかったというのは、日本政府がビッグブラザー化していないということの証左。

 うれしいのかどうなのか、ちょっと微妙な気持ち。