iPS治療誤報、復興予算使途問題 そんな報道に興じるヒマはないはず
今のマスコミがやっていることが、私には理解できない。
iPS治療誤報や、復興予算使途問題、って、紙幅や尺をそこまで割いて繰り返して報道する価値があるとは私には思えない。
iPS治療誤報に関する報道は、なんだかくどい。
今回、iPS治療に関して一部のマスコミが報道を急いだ動機は山中伸弥教授のノーベル賞受賞に浮かれた功名心によるものだろう。誤報であることが明らかになったいま誤報叩きに興じていられるのは、iPS治療が商業マスコミに対して広告費を出すことはないとわかっているから。
過去には、1989年に常温核融合を主張する米英の研究者がいたり、2011年の超光速ニュートリノを主張する国際研究チームがいたりして、世界的騒ぎになったが、それらは追試(追実験)や検証により否定されていった。また、ニセ遺跡や、実験データの虚偽、流用により論文も、不正指摘により否定されていった。
iPS治療誤報は、それとは異なる。
主張する本人の在籍確認をするだけのことである。裏取りは、報道や警察捜査で日々に行われている(行われているはずの)地道な手順であり、安易な情報に踊らされることのないように、気を付けましょう、ということを胸に刻んでおく、それだけのこと。
マスコミは、そんなことに興じるよりも、むしろ、出自不明な効果を主張する健康食品や美容器具の広告・宣伝について、検証をする方がよほど健全なだろう。マスコミがそれを怠るから、政府・行政による消費者相談や検証に税金を費やさなければならなくなる。
さて、復興予算使途問題。
お話にならない。
事業仕分けブームの再来である。バカな予算があればそれを潰せばよい。それだけのこと。
事業仕分けにしても、復興予算使途問題にしても、そんなものをいつまでもいじくり倒しているうちに、別の本当に大事なことを忘れてもらっては困る。あるいは、わざと現実から目を背けるために、そんなことに汲々としているのではないのか。
その議題設定、アジェンダ・セッティングを、政治家も、マスコミも、怠っている。