大飯原発断層問題: 誰もが納得する 天気予報 など、ありはしない。
雨が降るのか、降らないのか、黒白どちらかにしろ!グレーとか濃いグレーとか言わずはっきりしろ!!
こんなことで、血筋を挙げる人はないだろう。雨が降るかどうか、あらかじめ白黒付けられるものではない。相手は自然だ。
けれども、雨が降ることのリスクは、どれだけのものだろう。本当に大事なことは、雨に降られることがどれだけ深刻なことになるのか。
明日の天気が晴れか雨かで、運動会が開催できるか、花火大会が順延するか。そのせいで、子どものために仕事を休むべきかどうか、出店のためにどれだけ缶ビールや焼き鳥を仕入れておくか。
これはこれで大事かもしれないが、本当に大事な天気予報は、多くの人命がかかることになる台風とか暴風雨とかであろう。
うちのところに台風が来るのか来ないのか、黒白どちらかにしろ!グレーとか濃いグレーとか言わずはっきりしろ!!
これは、深刻な問題。しかし、台風が来るかどうか、あらかじめ白黒付けられるものではない。相手は自然だ。
けれども、台風が近づいているのであれば、台風が来る来ないということを問題にしてもどうしようもない。本当に大事なことは、台風の被害に遭わないこと。
本当に大事なことは、無用な外出をするものではない。これが誰でもが納得する、妥当な行動。
関西電力大飯原子力発電所の断層が、活断層か、地滑りか、という論争について、結論が出ていないことに関する、立地自治体からのコメント。
激しい議論の応酬、マイク奪い合いも 大飯原発会合 (11月4日産経ウェブ)
活断層なのか地滑りなのか−。結論が持ち越された原子力規制委員会の専門家調査団の会合では、意見の食い違うメンバー同士で激しい応酬があった。
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こうした議論について、立地自治体の福井県安全環境部の桜本宏企画幹は記者団の取材に「(会議は)あやふやで危うい議論だった」と不信感を示し、「誰にでもわかる議論を重ね、グレーとか濃いグレーではなく、明快な結論を出してほしい」と述べた。
大飯原発断層追加調査 地元、いら立ちも (11月8日日経朝刊)
7日の原子力規制委員会の会合で関西電力大飯原発(福井県おおい町)敷地内の「F―6断層(破砕帯)」の追加調査が決まり、地元からは戸惑いの声が聞かれた。(総合1面参照)
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時岡忍町長は「住民の安心のため、誰もが納得する評価が示されるよう調査してほしい」とのコメントを出した。
断層について、誰もがわかる議論、納得する評価、などできるだろうか。あらかじめ白黒付けられるものではない。相手は自然だ。
断層の問題は、天気予報より難しいことだろうし、この議論の混迷ぶりからますます難しいことがわかる。
そして、問題の本質は、断層が活断層か地滑りか、ではなく、断層の上にある大飯原発の方である。
関西電力にとって、大飯原発の運転停止、原発廃止、ということになれば大事(おおごと)である。
しかし、それ以上の大事(おおごと)になりかねないのは、大飯原発が地震により損壊したり、制御不能になったりすることである。
話が天気であれば、雨や風の一時(いっとき)をしのげば、よい。最悪でも、土砂災害があっても、土木工事でなんとかすればよい。
しかし、話が原発事故になるとどうだろう。福島第一原発のことを思えば、そこでの核燃料取り出しに手の付けようのないことを思えば。
リスクの算定は、発生確率×被害規模。 原発は、事故が起きたときの被害規模が、自然災害の非ではない。