旺文社もすなる、数字を使えば「もっともらしい。」
株式会社旺文社に対する警告について
平成21年6月2日 公正取引委員会
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/09.june/090602.pdf2 違反被疑行為の概要
旺文社は、別表1ないし3の旺文社英検書を一般消費者に販売するに当たり、当該商品の幕又は包装箱において、以下のとおりの表示を行っていた。かかる表示は、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものである疑いがあるものであった。表示内容
(1) 「英検合格者の80%以上が使っているから、旺文社だけが提供できる100%以上の満足」と(2)及び(3) 「英検合格者の80%以上が使っているの英検書」とそれぞれ記載することにより、あたかも、英検の各級の合格者の80パ-セント以上が当該商品を使用しているかのように表示実際
旺文社は当該表示に係るデータ有しておらず、英検の各級の合格者の80パーセント以上が当該商品を使用しているものではない恐れがあるものであった。
広告表示に関する公正取引委員会からの警告について
2009年6月2日 株式会社旺文社
http://www.obunsha.co.jp/files/document/090602.pdf旺文社が発行する実用英語技能検定の受験用書籍のうち、一部の書籍の販売においてお客さまが誤認するおそれがある表示があったとして、今後このような表示を行わないよう警告するとの指導を公正取引委員会より受けました。
旺文社は今回の警告を真摯に受け止め、今後再発防止にむけて社をあげて取り組むとともに、お客さまが誤認することがないよう、よりいっそうわかりやすい表示に努めてまいります。
【指導内容】
旺文社が発行する英検書の一部において、「英検合格者の80%以上が使っている旺文社の英検書」との表示をしていました。この表示ではあたかも英検の各級の合格者の80%以上が、旺文社の英検書を使用しているかのように示していますが、実際には各級の英検の合格者の80%以上が旺文社の英検書を使用しているものではないおそれがあり、今後このような表示を行わないよう指導を受けたものです。
「実際には…(そう)ではないおそれがあり」という物の言い方は、まるで他人事のようなそぶりであり、正直言って、旺文社には失望させられた。
なお、そんな物の言い方をする旺文社の真意は、以下の読売新聞の記事から読み取れる。
「英検合格者の80%以上使用」根拠なし、旺文社に警告
YOMIURI ONLINE 6月2日
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090602-OYT1T00806.htm?from=navr公取委によると、旺文社は2002年12月から、「英検予想問題ドリル」「英検DAILY 集中ゼミ」など計7シリーズの英検用参考書やCDについて、(中略)帯や包装箱に「英検合格者の80%以上が使っているから、旺文社だけが提供できる100%の満足」などと表示して販売したが、実際には合格者中に占める同社の書籍利用者の割合を調べていなかった。同社では、「英検用参考書の8割程度は旺文社刊、という大手書店のデータがあり、担当者が『合格者の80%が使っている』と勝手に推測してしまったのでは」と説明している。表示の根拠がないことなどから同社では06年頃に見直しを決定。同年以降に重版した分についてはこうした表示をやめたが、改善が図られたのは対象商品の半分程度だったという。
つまるところ、公取委の言うとおり、当事者が当事者としての根拠を持っていませんでした、ということに帰着する。だからこそ、旺文社のリリース文は、不誠実であり、腹ただしさを覚える。
数字さえ振りかざせば説得力があるように見えるが、物事を語るときに数字を用いる際には一次情報をたどれるかが社会において肝要。
社会を作るのは、人。
その人を作るのは、教育。
その教育に関わる出版に携わる旺文社が行った不当表示とその釈明。
他の不当表示事案と比べて、格段の重みがあったはずのものを。