顔認識から社会保障番号の割り出し、を実現させた、オープンな個人情報

 NHKサイエンスZEROもう逃げられない!?あなたを狙う顔認証技術」(2013年1月6日放送、3月31日再放送)では、USJの年間スタジオ・パスの顔認証システムや、AndroidのFace unlock、デジタルサイネージ視聴者測定システムなどに加えて、最後は、顔認識による(アメリカ)社会保障番号割り出しを紹介した。

 最後の顔認識社会保障番号割り出しの元ネタは、1年半前の「「顔認識技術で個人の社会保障番号まで割り出せる」――米研究者が発表 - ITmedia NEWS」であり、さらにそのネタ元は、カーネギーメロン大学 ハインツ校(公共政策・情報技術大学院)のAlessandro Acquisti准教授である。

 彼のプレゼン資料は、http://www.heinz.cmu.edu/~acquisti/face-recognition-study-FAQ/から48枚のPDFスライド DRAFT slides: Faces of Facebook: Privacy in the Age of Augmented Reality で読むことができる。

 顔認証から社会保障番号割り出しを行う流れは、シンプルであり、ウェブ上のサービスをマッシュアップさせることで実現する。

顔写真撮影
→ 顔写真付き実名プロファイルのオンライン無償提供サービス(一般にはFacebookとして知られている)を用いた顔照合により個人の氏名を特定
 顔照合エンジンとして、PittPattを使用(現在、PittPattはGoogleに買収されている。)

→氏名が特定された個人について、他の有償データベース(具体的には、Spokeo)と照合することで、居住地などの属性をピンポイントで特定

→ピンポイントで居住地まで特定されたその個人について、さらに別の有償データベース(具体的には、NETDETECTIVE)と照合することで、社会保障番号を突き止める。
NET DETECTIVEは、素行調査・人捜し・オンラインふるい分けのためのウェブサービス

 Acquisti准教授による顔認識社会保障番号割り出しに関する発表は、2011年8月のことであり、その時点でのスマートフォンクラウドサービスの技術で実現している。

 今は、それからもう2年近く経っている…。

 顔バレ民主化は進む。

 行き着く先は、韓国みたいな、整形手術を手軽に行う世界か。あるいは、目出し帽ブルカをまとった人が行き交う世界か。