ヤバい統計学
渋滞する高速道路の合流口に交通信号を設けてちょっと待ってもらうと、高速道路の渋滞は軽減する。しかも、交通信号の待ち時間の方が、渋滞による拘束時間よりも短くなる。
そういうことがデータで分かったとしても、ドライバーは、時間が短く済む信号待ちを好まず、自分でハンドルを握っていられる、けれども長く拘束されることになる信号のない渋滞の方を望む。
- 作者: カイザー・ファング,Kaiser Fung,矢羽野薫
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2011/02/19
- メディア: 単行本
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「間違ったシロ」による悪影響と「間違ったクロ」による悪影響は、同じではなく、どちらかに極端に偏る。そんなインセンティブの対照性はは、ドーピング検査とテロ探索とで、どう響いてくるのか。
いい加減、「ヤバい」○○学に食傷かなと思ってたけど、
ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検するとその数学が戦略を決める (文春文庫)の両方をいくような本だった。
実際、ヤバい統計学は、この2冊を参考文献に掲げていた。私は未読のブラックスワン(アカデミー賞映画でなくて、統計の本)も読んでみないと。