日本中枢の崩壊

 古賀茂明という著者自身の像が、崩壊している気がする。

 一方で、霞が関官僚としての自分の巧みな働きぶりを評価し、もう一方で、霞が関官僚のことを微に入り細をうがいて罵倒する。

 利害関係者間の調整の舞台裏とその実現の仕方は、紙一重で、善良にでも邪悪にでもなる。

 巻末の「東電処理策」なるものは、真夜中に執筆された乱暴な文書。

 切迫した危機感に突き動かされながら上梓した、という出版動機には共感を覚える。