マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!

 名の売れてる藤巻健史がどういう方なのか。初めて著作を手に取ったが、彼のことを知る点では、収穫だった、ということにしよう。

 金融や財政にはお詳しく、日本国債の買い手資金の最近の傾向、ダイナミクスについて理解を深めることができた。

 一方で、経済や科学技術の面でおおざっぱだったり、中途半端だったり。このことが、書籍としての価値をおとしめている。

 個人がこれからどのように金融商品について向き合うべきかについての指南は抽象的。けれども、外貨でさえあれば、MMFでも投信でも株でも、恐れられるハイパーインフレの前では、とりあえず五十歩百歩、という指摘には、同意しなければならないだろうかな。