選挙

 話題のドキュメンタリー映画といえば、最近ではマイケル・ムーアSicko シッコなのかもしれないけれども(そういえば、まだ観覧していない*1)、どっこい、足下の日本発のものはどうだろう。

 川崎市議宮前区補欠選挙に落下傘立候補した山内和彦・さゆり夫妻の「素」を追う「選挙」は、同時に行われた国政選挙の補欠選(当時の総理大臣(小泉純一郎)も応援に)、市長選とも相まって、派手な選挙戦が展開。

 しかし、立候補者夫婦が経験する選挙運動とは体育会的、あるいは893的な組織選挙。選挙対策に長けたお歴々に囲まれて、立候補者氏名の連呼を真剣にすればするほど滑稽なのは、なぜだろう。

 街頭演説だけでなく、選挙事務所の中、選挙カー(宣車/戦車)、候補者の近所、実は家の中まで、カメラは空気のように(fly on the wall)観察する。

 実際、想田和弘監督は、これをドキュメンタリーというよりも、むしろ「観察映画」と銘打っている。ニューヨーク在住の日本人が撮り、編集するから、日本のドメスティックさが際だち、だからこそ、この映画は国際性を放つ。ベルリン国際映画祭など、多くに招待作品されているゆえんである。

 6月9日公開以来、日本のどこかで上映中。

 上映直後に、主人公と監督が登場するトークイベントは、9月30日(日)渋谷。