「華氏911 選挙影響はわずか」?

 「華氏911 選挙影響はわずか」というNHK報道。タネはLA TIMES

映画を見たと答えた人 の「属性」
 78% 民主党(ケリー候補の党)支持者
  9% 浮動
  6% 共和党ブッシュ大統領の党)支持者

映画を見たと答えた人 の「映画を見て、11月の大統領選挙で、ブッシュ大統領に投票するかどうかの判断に影響があったか」
  3% 「ブッシュ大統領に投票する可能性が多くなった」
 79% 「影響はなかった」
 18% 「ブッシュ大統領に投票する可能性が少なくなった」


"華氏911 選挙影響はわずか" ← "「ブッシュ大統領に投票する可能性が少なくなった」と答えたのは、18パーセントにとどまりました。"

 この論理展開に,素直に頷けるか?

 民主党員はもともとブッシュ大統領に投票する可能性はなく,ブッシュを批判する内容の華氏911を見たからといってブッシュ可能性が多くなる必然性はない。「影響なし79%」のうちの78%ポイントは映画を見た民主党員ではないのか。

 このアンケート結果は,民主党員は「影響なし」が何%,共和党は「影響なし」が何%という内訳を示してくれていない。

 民主党員が影響なしというのは当たり前。問題は,煎じ詰めれば共和党員も影響なしなにかどうか,ということ。党派別の内訳なしに,結論を出すのは無理がある。

 この意味で LA TIMES のアンケート結果の表し方にうさんくさいものを感じるが,LA TIMESの講釈を無批判に報道するNHKも,かなりうさんくさい。

 データの読み方を考えて,報道して欲しい。


華氏911 選挙影響はわずか

華氏911」は、同時多発テロ事件からイラク戦争に至るまでのブッシュ政権の対応を痛烈に批判したドキュメンタリー映画で、先月末に全米で封切られて以来、記録的な興行成績を上げています。この映画について、23日付けのアメリカの新聞「ロサンゼルスタイムズ」は、全米の1500人余りの有権者を対象に行った世論調査の結果を掲載しました。それによりますと、映画を見たと答えたのは9パーセントで、このうち、78パーセントが民主党支持者で、共和党支持者はわずか6パーセントに過ぎませんでした。また、映画を見て、11月の大統領選挙で、ブッシュ大統領に投票するかどうかの判断に影響があったかとの質問に対して、79パーセントが「影響はなかった」と答え、「ブッシュ大統領に投票する可能性が少なくなった」と答えたのは、18パーセントにとどまりました。この映画をめぐっては、制作したマイケル・ムーア監督がブッシュ大統領の再選を阻むねらいがあることを明らかにしていますが、保守派からは、「民主党共和党の支持者が本来の政治的な立場を強めるだけで、大統領選挙への影響はほとんどない」と主張していました。