これは、氷山の一角。元号誤認による社会的混乱
今朝の日経から。
秋田の87歳女性、22年間14歳若く
秋田市に住む87歳の女性が22年間にわたり、実年齢よりも14歳若く住民登録されていたことが9日、市への取材で分かった。市は女性に謝罪し、誤りを訂正した。医療費の窓口負担は70歳から軽減されるため、女性は本来の額よりも多く払っていた可能性がある。
秋田市によると、女性は大正14(1925)年生まれだが、1989年夏に秋田市に転入した際、誤って昭和14(1939)年生まれで登録された。本籍地に転入を通知した際に誤りを指摘されて直したが、半年後に再び昭和で登録されたという。
市は「なぜ誤った情報がもう一度登録されたのかは分からない」としている。
今年3月、女性の家族の死亡届が出された際に、市が本籍地の自治体に照会し、誤りが発覚した。
このことについて、http://www.city.akita.akita.jp/city/pl/pb/kisya-siryou/2012/05/kisya-siryou201205.htmには、記載はない。
明治、大正、昭和、平成、という元号を使い続けることのコストを考えはじめた方がよい。
この懸念は、東洋経済オンラインが「文書は最低西暦を併記、統計からは元号一掃を」(本年2月13日)*1で指摘していた。
新聞に取り上げられた今回のこの事態は、当事者や行政に対する損害をもたらしたが、役所の手続だけでなく、企業における経済活動においても、これから事務的ミスという形で、けっして笑えない形で、社会的問題になっていくだろう。
不謹慎を承知で言えば、将来起こりうる改元の際には、日付管理に関する情報システムの更改が社会的課題になる。
そのシステム更改の要件定義において、平成に続く新しい元号を取り込む形を事務処理体系を組むべきかどうか、一貫して西暦で扱うか、今から考えておいた方がよい。
書類に記入を求められる人たちは、正しく(まじめに)書いてくれる、という前提は、取り下げておいた方がよい。
元号をまたがって年数処理をする際、コンピュータを操作する人間は、正確に事務を行えるだろうか。