ラジオとゲーム脳。

 おいおい、TBSラジオさん、前頭前野がほとんど働いていないということをやり玉に挙げる立場にいると、将棋羽生名人ゲーム脳呼ばわりすることになってしまうよ。*1

全国こども電話相談室[にんげん・せいかつ]

Q. ゲームをしていると頭がわるくなるといいますが、ゲームデザイナーの人はだいじょうぶなのですか? (小5・男の子)

A. ゲームデザイナーの人はおもしろいゲームを作るために、いろいろとそうぞうして、いろいろなことを考えますよね。そうしてなかまとたくさん話し合ってゲームを作っていきます。だからゲームデザイナーの人のあたまのはたらきはいいと思います。

一方、まいにちゲームを「やっている」人たちは、ゲームをうまく動かすために脳の中で決まった神経(しんけい)の流れが作られてしまいます。そうするとできるだけ脳のいろいろな場所に信号を送らずに手が動くようになってしまうので、その他の部分のはたらきがわるくなってしまうんです。脳には前頭前野(ぜんとうぜんや)といって「うまい手順を考える」ところがあります。決まったことをくりかえす「ゲーム」は、ここをあまり使わないのです。あたまの中で今までおぼえてきたいろいろなことをくみあわせて考えなくなってしまうんですね。だからだめなんです。

では、逆によくあたまをはたらかせる遊びなんでしょうか。これは、いままで調べた中では「おてだま」がいいですね。おてだまを3つ使って150回ぐらいできるようになるとかなりあたまのじょうたいがかいぜんしますよ。あとは本を読むとかラジオを聞いていろいろとそうぞうするとかがいいと思います。

日本大学文理学部教授:森昭雄先生

ラジオは脳にきく。

TBSラジオが展開している「ラジオは脳にきく」の広告キャンペーン、もうご覧になりましたか?

この広告は、脳とラジオの関係について積極的にアナウンスを行っている和歌山医科大学 脳神経外科 板倉徹教授の監修のもと、ラジオが脳にもたらすさまざまな効用について科学的な見地からメスを入れ、新しい視点からラジオのすばらしさを見直していくシリーズ企画です。


01 ― 最近「キレるこども」たちが話題になっていますが、脳の働きとの関係が解明されてきたようですね?


 さまざまな要因が考えられていますが、そのひとつに「ゲーム脳」と呼ばれる、脳の一部分を過度に酷使することによって生まれる弊害が指摘されています。

 長時間のコンピューターゲームによって脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)の機能が著しく低下することからこう呼ばれているのですが、この前頭前野は人にやさしくしたり他人の気持ちを思いやったりする部分といわれています。

 コンピューターゲームを少ししかやらない子供と長時間ずっとゲームに興じているこどもの脳を調べてみると、少ししかやらないこどもの前頭前野はゲーム終了後、すぐ元の状態にもどるのに対し、過度にゲームをしているこどもの前頭前野は、ゲームをしていない時にも機能が低下したままになっている、というのです。

 その結果、我慢ができなかったり、人の気持ちが思いやれず粗暴になる、といった傾向が出やすくなるようです。