マネーボール

その数学が戦略を決める (文春文庫)

マネー・ボール (RHブックス・プラス)

 以前読んだ、「その数学が戦略を決める」。

 その本は、冒頭に出てくるのが、野球選手のスカウトに、これも統計を活用した革新を起こしたエピソード。その参考文献として紹介されるのが「マネーボール」(私は未読)であるが、それが映画化された。

 統計のことを期待して、この映画を見にいくことは止した方がよい。また、映画の演出、GMらの描き方に、納得感があまりいかなかった。そして、経済学を修了して選手の試合データを統計解析する助演男優が、「いかにも」な「なんだかなぁ」な、キャスティングにも不満が残る。

 弱小球団のジェネラル・マネジャー GM の禁欲さに惹かれたのかもしれないブラッド・ピットと、アメリカ・メジャーリーグの広報戦略、というのがこの映画製作の動機ではなかったのだろうか。

 球団は、選手のトレード、解雇を、バッサバッサやっていく。映画 Up in the Airジョージ・クルーニー主演。邦題「マイレージ、マイライフ」)を思い出させる。被用者が突然の解雇に対して意義を申し立てられない、と言ういわゆる at will条項ってこんなものなのだろうか。