ノエティック・サイエンス

 7日(日)日経朝刊 アート探求面から。

作家ダン・ブラウン
科学と宗教の共存を追究

…最新作「ロスト・シンボル」…が発売された。

 「科学を知れば知るほど、宗教を信じるようになっていく」。最新作は科学と宗教の共存関係をテーマにした。きっかけは10年前の「ノエティック・サイエンス」との出合いだった。人間の祈りや願望が物質に変化をもたらすことを科学的に実証しようとする研究だ。この分野への理解を深めようと、あらゆる関連文献や実験報告を読破し、10年がかりで作品に仕上げた。作中でもノエティック・サイエンスを研究する女性がラングトンを助けて大活躍する。


その後科学に心酔していくが、「深く勉強するほど、宗教に似てくると感じていた」。この違和感を解消したのが、ノエティック・サイエンスとの出合いだった。その研究が正しいとすれば、折とうなどの宗教的な行為には実質的な意味があったことになる「何世紀にもわたって科学串と宗教は異なった言語を使って、同じことを伝えようとしていたんだ。」

 娯楽性の高い作風には「文学ではない」との辛口の批評もあるが、本人はいたって冷静。「評論家の言葉は気にしない。世界中の読者が楽しんで、もっと読みたいと思ってくれればいい」と笑った(ニューヨーク=清水石珠美)

 日経の日曜は、サイエンス面も掲載するが、トンデモな面も多い。先日言及した「広告と見まごう新聞の健康面記事」d:id:hottokei:20091129 しかり。

 その欄の藤田紘一郎氏は、血液型の科学 (祥伝社新書)を上梓した。放送倫理・番組向上機構BPO)の放送と青少年に関する委員会が「「血液型を扱う番組」に対する要望」を出して以来、放送メディアでは血液型を扱うことはなりを潜めたが*1、その分、血液型信仰(振興)者は出版に舞台を求めている。

*1:しかし、こんなことに注意を払う必要がある。d:id:hottokei:20090222