風雲急を告げる土曜午後の東京民放AMラジオ3局

 この秋のTBSラジオ、久米宏が21年ぶりにラジオ番組レギュラーで帰ってくる。

 このことについて、東京民放AMラジオ3局の戦陣を見事に活写している文章を見つけて、並々ならぬラジオへの思い入れに感じ入ったのだが、その文章の書き主があの宮川賢だったことには、もっと驚いた。

 彼のラジオ番組からの印象とはちょっと違っていた。すげええ。

http://miyakawa.backdrop.jp/blog/2006/09/post_23.html
 1週間24時間の番組表を見れば、非常にコンセプチュアルに彩られているニッポン放送は、ラジオに関する考え方が一貫していて気持ちいい。
 男女ともに腕っぷしのいい局アナを数多く擁しながら、照美さん以外の番組で爆発出来ないでいるカントン包茎のような職人集団の文化放送。勝負ごころよりも、番組作りを楽しむ姿勢がどの番組からも滲み出ている所は、気持ちいい。
 そして、時代のニーズに即応する、勝てば官軍のTBS(笑・←決して悪い事じゃなく)。
ともあれしばらくは目が離せない。

最後にハッキリしている僕の気持ちを2つだけ書いておきましょう。
1)そのバトルをきっかけに、ラジオのセットインユースがあがれば何より。
2)パーソナリティ番組が増えるのはラジオファンとしては単純に嬉しい。

 セットインユースとは、2005-03-17 - ラジオ修行日誌(仮)(ラジオプロデューサーのお仕事・改題)によれば、ラジオ媒体に接触した人の割合。

 TBSラジオ秋の改編告知ページから。

 TBSラジオは、2006年6月の聴取率調査で首位を獲得し、30期連続聴取率トップを獲得しました。これで、なんと5年もの間、一番多くのリスナーが、TBSラジオを選んで聞き続けて頂いているということになります。

 これはTBSラジオの歴史の中でも、非常に誇らしいことではありますが、メディアの多様化に伴うセットインユースの減少という状況が目前にあることも、また事実です。TBSラジオとしては、ラジオ界の“リーディング・ステーション”として、ラジオをもっと身近に感じて頂き、そしてラジオの面白さを体感して頂くことにより、ラジオメディアの存在価値を上げていきたいと考えています。

 TBSラジオ秋の新番組紹介「半年限定プロジェクト あべこうじポッドキャスト番長」から。

 ラジオ業界初!インターネット上での音声ブログサービス「ポッドキャスト」を前面に打ち出した番組が始まります。
 TBSラジオではこれまでも、ラジオ番組とポッドキャストの連動に積極的に取り組んで来ましたが、「ポッドキャスト番長」は2006年に実施する最大の実験です。この番組の中には15〜20個の7〜10分程度のコンテンツが含まれ、リスナーはAMラジオで聴くだけでなく、放送時間に縛られず自分の好きな番組をダウンロードして楽しめます。

 さて、どうなるだろう。

 ポッドキャスティング・ストリーミングにより、ラジオ局の聴衆者獲得競争は、国境を越え始めている。TBSラジオ・ストリーム「コラムの花道」や、おそらくそれ以上にMBSラジオ「ありがとう浜村淳です」は、一定数の海外聴衆者を持っている。(でも、番組のポッドキャスティング展開をもっとも過激にやっているのは、国内ではラジオ日経であろう。)

 一方、日本の聴衆者は世界のポッドキャストを聞ける。私は、The World: Technologyを購読。