伊勢神宮に見る天下り

 伊勢神宮*1は、その建物を20年ごとに建て替えている。

 興味深いのは、20年ごとの建て替えを見越して、神殿のための敷地は、あらかじめ2カ所が隣接して用意されていること。片方の敷地に神殿があるかたわらで、もう片方の敷地で新しい神殿を建て、それが完成したら、古い方の神殿は解体して更地にしてしまい、次に備えるのである。

 遷宮と呼ばれる一連のイベントは、8年間に渡って営まれ、今現在、2005年キックオフ、2013年カットオーバー(神殿が竣工)という8年間にわたる長期プロジェクトである。

 来年に落成を控え、今月、立柱祭上棟祭が行われた。

 さて、造り替えられた後の古い建物の材木は、どうするのか?

 護摩木にして焼却処分、というのではなく、地球に優しく、リサイクルされる。

 伊勢神宮では式年遷宮正殿や別宮に使った木を、概ね40年周期で建て替えられる他の宮社で再利用している。さらにそれらの木は各地のゆかりある神社で再び利用されていく。

職人がつくる木の家ネット - 現場レポート - 「伊勢神宮遷宮・御杣始祭り:300年の大木を伐る!」(2005.06.25) http://kino-ie.net/genba_083.html

 リサイクル、という言い方もできるが、払い下げ、お下がり、天下り、という言い方もできなくもない、よね。

*1:伊勢神宮は、内宮外宮の2つから構成されている。このことは、お伊勢参りに出かけて、2つのお宮の間を車で移動してみるまでは、なかなか気が付かない。