政策評価と社会実験
「その数学が戦略を決める」の第3章「確率に頼る政府」から。
この条項によれば、州は失業保険料の支払いを引き下げる新しい方式を実験してもいいが、それはそのアイデアが「実地試験において無作為に割りあてられたプロジェクト参加者と対照群を含む」評価計画に支持されなくてはならない。
…
実はすでに、政策を実施する前に無作為化による実験をするようにはっきりを求める州法は三〇〇〇以上もあるのだ。
(注 以上は、アメリカに関する記述)
議会は新しい法律を作って、あらゆる社会計画は評価されなくてはならないと定め、それが予算決定プロセスの一部になったんです。だから今ではかれらは、栄養改善計画から雇用計画、マイクロファイナンス計画から教育プログラムまですべて評価しています。そしてそれがよい公共政策に関する議論の基盤となりました。議論は今は、何がうまくいくかに関する事実でいっぱいです。
(注 以上は、メキシコに関する記述)
日本の1999年の地域振興券、
2009年の定額給付金、
2010年からの子ども手当、…。
これらの政策の立案は、選挙対策、連立政党対策、マニフェスト対策(選挙対策と同義)でこそあれ、evidence に基づいたものだっただろうか。
日本には、政策評価法というのがあり、例えば、規制の事前評価や、租税特別措置等に係る政策評価の点検結果とう取り組みがあったりするが…。
グーグルで、"社会実験 site:.go.jp"すると、国土交通省、公共事業がやたら目立つ。
その勢いは、勇ましい。
けれども、その説明は自由研究の域を出ていない。
社会実験と称するからには、実験の正否や成果の定量的評価を示す体裁を整えるべき。