100,000年後の安全

 フィンランドで進められている放射性廃棄物の最終処分地、その建造に携わっている人々へのインタビューで構成されたドキュメンタリー。

 この最終処分地が完成するのは、22世紀。

 この映画は、廃棄物保管に関する技術論よりも、むしろ、処分地の危険性、「立ち入るな!」ということを100,000年後にまでどう伝承していくのか、という哲学的な問いかけに、その力点を置く。

 このような問いかけ。未来の人類は、耐えられるのだろうか。現在の人類は、そのような責任を未来に負わせられるのだろうか。そんな権利はあるのだろうか。

 考えさせられる。

 デザイン性が意識された北欧らしく、機械類の姿を含めて、映像が美しい。そして、長くて暗い冬のような陰鬱な印象が、映画全体を覆っていて…繰り返し、眠くなってしまった。

 銘記しなければならないのは、六ヶ所村で進められている中間処理施設でさえ未完成であり、安定した運転が危ぶまれているのが、日本の現状だということ。最終処分場については、出口は依然として、見えないまま*1