もう《さびしんぼう》は作り得ないだろうな、と思う

 [ オリンパス | FotoPus | 大林宣彦ブログ 雨撮晴記 ]の2007年04月26日 にこにこ写真日記から。

少女時代の写真なぞ一枚しか無い時代だから成り立った物語である。《転校生》はこの度二十五年振りに再映画化したが、この写真が一杯ある時代に、もう《さびしんぼう》は作り得ないだろうな、と思う。

 自転車で通りかかったヒロイン、それを一眼レフ(Nikon FE2)のファインダーに偶然とらえておきながら「あ゛〜フィルム〜(が無い!!!)」と地団駄を踏む主人公。

 デジカメ時代の今では、想像することさえ難しくなってしまう、そんなシチュエーション。

 《転校生》では、一夫の家の黒電話、一美のために川原敬子がかけてくれた公衆電話。

 電話はその後、《ふたり》ではコードレスホンになり、《あした》では携帯電話が登場。

 映画が時代の地層に埋もれていく姿には、その時代のテクノロジーもあったりする。