立喰師列伝

 id:hottokei:20060326#2 から続く。

 予告編や、新聞、雑誌から受けてきた新しい「映像表現」の映画、という印象と異なり、これは登場人物やナレーター(むしろ弁士か)が「語る」言葉の映画である。

 登場人物らの弄する難解なテキストを耳に取り入れて、自分の脳で高速展開してその意味を理解しようとしても、その漢語や用語(ルサンチマン、レゾンデートル、など)が描く内容、その論理構成は、意味不明かつナンセンス。

 戦後、安保闘争などのことが下敷きになっており、その時代感の雰囲気を「うさんくさく」(ある意味)醸し出す。

 押井守氏の世界観の真骨頂なのだろう、けれども、興行的に成功するかどうかは未知数。