愛だろ、愛っ

 d:id:hottokei:20050717で触れた厚労省労働安全衛生法における胸部エックス線検査等のあり方検討会の第3回議事録(6月20日)における日本医師会常任理事の藤村伸委員の発言を引用。

 もし科学的な論理というものがあるのだったらば、これは本当はヒューマニティだとか愛だとか、そういうものが必要なのです。

 この方の見識が、日本医師会の見識である、と理解してよいのだろうか。

 この委員の発言には、こんなものもある。

 例えば、科学的論議で物事を全部言っていたかと思うと、高額の費用が健診にかかることが問題であるという発言がある。これは経済的な問題で全く別レベルの問題であって、もしそういうことがあるのだったらば、その費用は国が何とかすればいい厚労省が一生懸命考えればいい。それを飛び飛びにこういうようなことを言って、このような論議でもってすべてを解決していこう、つまり事業者が費用負担をするという意識がどこかにあるのではないか。それがあっては本当はいけないのです。日本国民の健康を将来、どうやって維持していくかということが問題であって、ほかのことは考えるべきではない。

 他ならぬその経済問題を含めた保健政策をなんとかするために、検討会委員として厚労省が自分のことを任命している、という事実を、この方は理解できないらしい。そして、この方を常任理事として抱えたままにする日本医師会も同程度の理解しかないと思われても仕方がないだろう。

 愛だろ、愛っ(c)1993 サントリーカクテルバー 永瀬正敏