クールビズを冷笑するマスコミ

 マスコミ界のクールビズに対する冷ややかな態度の一例。

 今日のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」の番組エンディングの一コマ(こんな趣旨の かみ合わない やりとり)

ロバート・フェルドマン(番組日替わりコメンテーター)(Yシャツのみ姿)
クールビズで発見をしました。
 クールビスの格好をしていると、寒いんですね。
 こういう格好をみんながするようになれば、冷房の設定温度を上げられるようになるのでしょうに。」

テレビ東京アナウンサー(上着・ネクタイ着用)
クールビズは、今の政権が変わったら無くなるのでは。」

 ブンブンと稼働する放送機器に囲まれ、ギラギラな照明に晒されるテレビスタジオの環境では、空調ギンギンにせざるをえないわけであって。テレビ局アナなど、放送関係者の意識なんて、こんなものでしょう。

 その意味では、空調ギンギンないわゆるデータセンターみたいな感覚を持つようになることは理解できないこともないけれども、「テレビ放送」という影響力を持つマスコミ人の発言としては、世情に疎いんでないか。

 マスコミが、クールビズや軽装に対して見せる敵愾心は、穿ってみると、冷房効きすぎスタジオでの仕事を運命づけられた人の悲哀から生じた嫉妬心。

 あるいは、お上(かみ)に対する闇雲な反発心かにも思える。なぜなら、「ノーネクタイでなければならない」と言うのはマスコミが作りだした主張であり、そんな架空の主張に対して噛みついているのだから。

 というのは、クールビズは、環境省が命名した愛称であり、それが意味するところは、

夏のオフィスの冷房温度を28度としても涼しく快適に格好良く働けるビジネススタイル

 という内容であり、軽装=ノーネクタイ・ノー上着と規定しているわけではない。まして、ネクタイ着用を禁止しているわけではない。

 さらに付け加えれば、ノーネクタイ・ノー上着のことを、政府は「差し支えない」(「夏季の軽装について」閣僚懇談会申合せ)としており、国会でも「可とする」(「夏季における院内の服装等に関する申し合わせ」参議院議運理事会衆議院も同様)としているだけ、のことである。

 国会の審議中継をご覧なさい。ノーネクタイ、ノー上着の人もいれば、ノーネクタイの上着姿、ネクタイ・上着着用の人、多様である。みんなちがって、みんないい(copyright 金子みすず)、のである。

 扇子をパタパタやっている議員が散見される、ネクタイ・上着を着ていて。どうもおつかれさま。