カリーナの林檎〜チェルノブイリの森〜

 原子力発電所放射能放射性物質を外部にまき散らす事故は、環境に対する事故、というだけでなく、人の生活に、家庭の営みに、そして、子どもの未来に、影響を及ぼす。

 観ていて、切なくなる。

 ただ、この映画はおとぎ話。

 悲壮なエピローグの中、主人公の子どもの声で、これはおとぎ話、と言ってくれる。

 この声に、観る者は少し救われる。

 しかし、エンドロールで、この映画は、ストイックな形で「現実」を映し出す。

 想像力が試される。

 人が想像力を持っているのなら…。