文化の根源は助け合いの精神にある。

 猪苗代湖ズの『I love you & I need you ふくしま』に出てくる「I love you baby ♪野馬追い」の相馬野馬追(そうま のまおい)。

 その歴代ポスターを見よ。このかっこよさよ。マジしびれる。

 福島第一原発の賠償スキームが、4ヶ月以上経ってようやく始まろうとしているが、こんなにかっこいい野馬追のことを、東京電力や国は、どう弁償してくれるのだというのだろうか。

 人と人とのつながりを原発事故が断ち切ったことが、ここに明白に表れている。お金に換えることなんてできない。

 9日の日経文化面 連載 あえぐ文化福島浜通りから「(1)原発事故、祭りを分断 「区域」ごとで内容に差」から。

 相馬野馬追保存専門委員会委員長の二上裕嗣氏(68)はこう語る。「文化の根源は助け合いの精神にある。原発事故はそれを破壊した。事故の影響を見極め、晴れやかな気持ちで野馬追を行えるようにしたい」。荒川氏も「早く元の姿に戻ってほしい」と話す。

 原発事故によって20キロ圏内外の住民は四散した。3つの区域にまたがる南相馬市の市内居住者は震災前の半分ほど。子供の割合はさらに低い。原発事故は人と人とのつながりを断ち切った。

 出場した武者たちは、立場の違いにかかわらず堂々としていた。が、例年約500騎参加するのに対し今年は80騎ほど。小高区には足を踏み入れられず、原町区の人影は少ない。馬も武者の姿もない雲雀ケ原はきれいに整備され、「来年こそ相馬野馬追を」の横断幕が掲げられていた。