イノベーション

 下の記事を読みながら、イノベーションという言葉を思い出した。

 安定成長を前提として未来を見るのでなく、イノベーションにより高度成長が入ると、風景は変わってくる。

 国際貿易の古典的な理論に、「比較生産費説」というものがある。ただこの理論は「完全静態」の下では、どの業種が輸出産業として的確であるかを教えてくれるにすぎない。従って、10年、20年先のことを考えて、どの業種が比較優位に立つのかといった後発国の産業政策の指針となるようなものには全くなり得ない。

(中略)

 が、後発国は、先発国を追い上げるには10年、20年先の諸産業の成長可能性まで視野に入れなければならない。それが、需要サイドからいえば「比較需要成長率」や「所得弾力性」の大小であり、供給サイドでは「比較技術進歩率」の大小である。

(中略)

 大事なのは、レディーメードの静態論をうのみにし、これを基に政策論をうんぬんすることがいかに危険であり、ミスリーディングな分析結果を招きやすいかということである。
 どうやら過去のモダンエコノミストはしばしば、静態論の枠組みで得られた帰結をそのまま将来構想に適用するというミスを何度か犯してきたということである。

日本経済新聞19日朝刊「産業政策論 10年、20年を見越して 役人と夜遅くまで議論」(私の履歴書 篠原三代平 18)

 イノベーションは歩いて来ない。だから走って行くんだね

未来で待ってる。

すぐ行く。走って行く。