出典が明記されない統計を補足

 TBSラジオ系バトルトークラジオ アクセス 8月23日「就職率の向上など雇用状況が良くなれば、ワーキングプアネットカフェ難民といった問題は解決すると思いますか?」のテーマ詳細、から。

 パートや派遣社員など、非正社員の割合は全体の3分の1に上ります。

 本日ゲストの雨宮処凛さんは、若者の雇用問題などを取材してきました。その著書「生きさせろ!」を参考にしますと、若者の非正社員の割合はさらに上がって、全体の2分の1に上ります。

 データを出典不明なまま紹介しているが、ソースは総務省統計局の労働力調査

 前段の非正社員は3分の1、については、労働力調査詳細結果(速報)平成18年平均結果の概要(PDF)の以下の下り。

第1 就業者
1 雇用形態別の構成
(1)雇用形態別雇用者
 役員を除く雇用者は5088万人と,前年に比べ81万人の増加となった。このうち,正規の職員・従業員は3411万人と,前年に比べ37万人の増加となり,比較可能な平成15年以降で初めて増加となった。また,パート・アルバイト,派遣社員契約社員等の非正規の職員・従業員は1677万人と,前年に比べ44万人の増加となった。
(赤色は、筆者による。)

 後段の若者の非正社員は2分の1、というのは、氏の著書での独自調査であるかのようにTBSの番組は引用しているが、これも労働力調査の同PDFの3ページのデータ。
 番組中、雨宮氏は「求職していない人を失業者とカウントしないのは日本独特」と言う趣旨の発言があったが、失業者の定義はILO基準に基づくもの*1。氏のとおり、求職していない人を失業者とカウントする国があるとすれば、それはどこなのか国名が欲しいところ。

 なお、仕事をしたいと思いながら仕事が見つかりそうもないから求職活動をしていないなど経済情勢などの要因によって非労働力人口になっている人は、労働力調査詳細集計によるデータから把握、分析可。

*1:仕事がなく、仕事を探していた者で、仕事があればすぐ就ける者