闘争技術とニセ科学?

 問題は、経済活動には、常に2つの技術が混在しているという点にある。経済の領域には、新しい価値を生産する生産技術と、既に存在する価値を他者から奪い取るための技術(故ジャック・ハーシュライファー米カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授は「闘争技術」と呼んだ)が存在する。

 通常の経済学の議論では、生産技術しか存在しないという前提でバラ色の改革像が描かれ、現実の世界に存在する闘争技術はすっかり忘れられているのだ。しかし、現実に改革が進むと、過渡期には、闘争技術(例えば市場での情報操作や顧客の無知につけ込むなど)によって莫大な利益をあげるものが出てくる。

http://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/kobayashi/40.html上席研究員 小林慶一郎)

 「闘争技術」なるものの定義について、Jack Hirshleiferがどんな原著論文で唱えているのか、その一次情報をたどること無しにこの言葉を使うことは危険である。

 その留保を置くこととするが、ニセ科学という”非合理的”な理屈で金儲けを企む輩(やから)の性向として、闘争技術という点で秀でたところがあるということになるのか?