情熱大陸SPECIAL LIVE '06 横浜

情熱大陸SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA'06 横浜みなとみらい・新港埠頭

 押尾コータローDEPAPEPEをいっぺんに見られる、という理由だけで、チケットを購入。どちらも、生で、というか、動く映像で見るのは初めて。この手の野外イベントに出かけるというのは、初めて。

 押尾コータローがメジャーCDデビューの時に出演したラジオで、ソロのギター生演奏をしたのだが、これがどうしてソロなのか信じられなかった。それを自分の目で確かめたかった。


 会場は、新港埠頭旅客ターミナルの広場

 仮設ステージが2つ、客船ターミナル入口交差点を背にして組まれている。正面のメインステージと、正面左のサブステージとで交互に演奏。もう片方のステージは、次の演奏者のための機材設営が行われる。

 観客席は、14000超。会場はマス目上に仕切られた「ブロック」ごとに、通し番号が割り振られたパイプ椅子が整然と並ぶ。ブロックは、タテヨコを英字×数字により表記されている。

 メインステージには、スクリーンが1つある。ステージの人物は遠く小さくても、いくつものカメラにより、姿はスクリーンに投影される。

 客船ターミナルの建物裏には、仮設トイレがずらり。このほか、屋台やケータリングカーが並ぶスペースも。

 埠頭の岸壁、横浜海上防災基地側には、山下公園などでよく見るクルーズ船が横付け。これは、出演アーティスト用の楽屋船として使われているようである。

 で、実際には、おおざっぱに20分刻みでいうとこんな感じで進行。

Sub Stage Main Stage
1500 orange pekoe
柏木広樹 1520
1540 DEPAPEPE
Saigenji 1600
1620 小野リサ
与世山澄子 1640
1700 押尾コータロー
1730 アンジェラ・マキ (+葉)
清貴 1750
1810 河口恭吾 (+葉)
1830 佐藤竹善 (+葉)
功刀丈弘&Abyss of time 1930
1920 渚のオールスターズ
PYRAMID 2000
2020 葉加瀬太郎

※ 「(+葉)」は、ステージに葉加瀬太郎も一部参加。

 予告にあったBahashishiというアーティストの登場はなかったみたい。


 DEPAPEPEは、思った通り爽快。夏のうだる会場、反応が鈍かった1万4人超の聴衆も、二人の間の掛け合いに動き出す。

 さて、押尾コータロー。生で見てもやはり信じられない演奏だった。どこからあんな音が出てくるのだろう。今様に言えば「エアギターじゃねーのか」と突っ込みたくなるが、現実に彼は弦を弾き、ギターを叩いていた。20分間とはいえ、生で初めて見る身にとっては、濃かった。

 会場は、アンジェラ・アキ佐藤竹善の登場に特に盛り上がりを見せ、そして渚のオールスターズが登場するや総立ちに。TUBEメンバーを初めて生で見て、初めて生で聞くシーズン・イン・ザ・サン。これって、86年の曲って言うから、もう20年前。

 渚のオールスターズムッシュかまやつ。持ってたギターはヘッドストックが ない ように見えたのだけど、あれは何だったのだろう。


 「特別協賛:アサヒビール」なのに、場内で売っていたビールは、スーパードライ350ml缶のみ。値段500円。試供品提供などもない。公演合間にスクリーンでアサヒ・プライムタイム(プレミアムビール)のCMが放映されたが、それはどの店でも売っていない。

 ライブアンケートがあった。その質問事項の半分以上は、アサヒビールブランドの認知度、購買行動などを尋ねるものであった。市価の2倍以上の値段で観客にビールを買わせておいて、それで

本日の公演をご覧になって、アサヒビールの商品を飲む量が増えると思いますか。

と聞かれた日には、なんて答えたらよいか。


 会場運営に、不安を覚えた。

 場内の観客誘導用掲示物の相当部分が、A4判コピー紙にマジックペンで書いたものであったりして、まるで「その場仕事」のように見えた。会場計画の企画は、思いつきでやっているのだろうか。

 「禁煙」掲示は、文字による案内であり、ビジュアル化、ピクトグラムを使っていない。そもそも「禁煙」の文字は手書きにより記されている。

 会場をマス目上に仕切るブロックに関する配置案内図も、A4判コピー紙をタテヨコに大きく貼り合わせたもの。しかも、貼り出し位置は、人が見上げるような高さに貼っているわけではなく、人間の胸の位置。配置案合図がそんな低い位置では、人だかりがしている中では見てもらえることもなかろうのに。

 場内のゴミは、可燃物と不燃物の2分式。 東京23区推奨ゴミ収集袋を、壁の手すり部分にガムテープで貼り付けている。ガムテープ貼り付けというのは、まあしょーがないかという気にもなる。しかし、ゴミがあふれてかえってしばらく経ったようすになっていても、ゴミ袋の取り替えに係員が来る気配がない。

 公演終了後は規制退場にご協力を、という張り紙があった。確かに、1万4千人が一気に会場を後にしようとなるとどのようになるのだろう。

 というわけで、葉加瀬太郎の大トリステージの途中で、一足お先に会場を後にする。

 実は、会場の音楽は、当たり前だが、会場を出ても十分楽しめるくらい、聞こえてくる、ガンガン。横浜みなとみらい万葉倶楽部の裏の、岸辺の公園の段々や芝生に腰掛けて海を眺めながら聞くのもおつだったかもしれない。

 よく見てみると、インターコンチの窓やパンパシフィックのベランダにも、ホテル宿泊客がちらほらと耳を傾けているではないか。

 それでも、いいや。会場に入れてよかった。

 やっぱ、演奏を見ながら聞きたかったし。

 なんと言っても、押尾コータローの演奏を、DEPAPEPEが楽屋船からずーっと見ている、という光景を観察できたのが、印象深かった。