GDPよりもGNI?
日経から
二階俊博経済産業相は29日の経済財政諮問会議で、経済運営にあたっては従来の国内総生産(GDP)に代わり、海外からの配当や利子収入を含めた国民総所得(GNI)を重視すべきだと訴える。
GNIは国内の企業や個人が利子や配当として受け取ったり支払ったりしたお金の差引額を、GDPに上乗せした指標。04年度は海外からの受取額が16兆円、支払額が5兆円で、差し引き11兆円が実質GDP(約526兆円)に上乗せされている。
二階大臣の資料は、こちらの資料「新経済成長戦略」中間とりまとめについて(二階議員提出資料)。
数字のソースを見てみると、内閣府平成16年度国民経済計算(93SNA)の第1部フロー編 4.(1)国内総生産(連鎖方式・実質・年度)であり、
項 目 1994 1999 2004
国内総生産(支出側) 469,620.9 490,369.4 526,378.0(参考)交易利得 4,389.1 1,892.7 -4,830.8
海外からの所得の純受取 3,608.7 6,298.9 10,580.4国民総所得 477,618.7 498,561.1 532,127.6
経済成長率を参照するのに利用する統計は、昔GNP、今GDPである。
ちなみに、三面等価の法則により、GDE = GDI = GDPであり、GNE = GNI = GNP。上で出てくるGNIとは、GNPと同値である。GNPとは言わずにGNIと言うのは、以下の事情による。
国民が生産した粗付加価値の合計という意味での生産面を主体とした概念では、国民が受け取る所得の合計という意味での所得面を主体にした概念であることが重視されている。
(ゼミナール SNA統計見方・使い方(1993東洋経済新報社))