公共交通機関

 Yomiuri Onlineから

タクシー禁煙訴訟で原告敗訴、だが「禁煙望ましい」

 国が適切な指導を怠ったため、タクシーの禁煙化が進まず、受動喫煙健康被害を受けたなどとして、首都圏のタクシー運転手と利用者26人が国に計1360万円の賠償を求めた訴訟の判決が20日、東京地裁であった。

 柴田寛之裁判長は「国にはタクシーを禁煙にする規制権限はない」として、請求を棄却した。

 ただ、「タクシー内は分煙が不可能な狭い密閉された空間で、受動喫煙が乗務員の健康に及ぼす影響は看過しがたい。全面禁煙化が望ましい」と述べた。

 法の番人としては判決は妥当としか言えないが、判決文の中の意見は快挙。健康増進法のご時世に、当たり前。


 asahi.comから

通勤電車の窓、開くようにします JR東日本が改造へ

 やっぱり窓は開けられるようにします――。JR東日本が、京浜東北線などを走る主力通勤電車「209系」の窓を、開かずの固定式から伝統的な開閉式に改造することを決めた。特急列車なみに眺めが良い「ワイドな一枚窓」が自慢だったが、立ち往生事故を起こした際、換気不足で気分が悪くなる乗客が続出してしまった。「通勤電車はやはり実用本位」として、国鉄時代以来の自然換気方式が見直されることになった。

 開かずの固定窓には、冷暖房効率が高く、室内も静かというメリットがあった。さらに、開閉式に比べて窓の構造が簡単なために、製造コストは1枚当たり10万円以上割安。「乗客もJRもうれしい一石二鳥の技術」のはずだった。

 ところが、今年3月、東京都内の京浜東北線大森―蒲田間で、走行中の209系電車に電気トラブルが発生。約1000人の乗客を乗せたまま、2時間半にわたって立ち往生した。空調機がストップしたために車内は蒸し風呂状態となり、気分が悪くなった16人が救急車で運ばれる騒ぎとなった。

 列車の窓の構造は国土交通省令などで「必要な換気をすることができること」と定められ、停電時の換気量も示されている。209系は両端の小窓と非常換気窓で規則はクリアしていた。だが、満員の乗客と長時間の停電が、規則の想定を超えてしまった。

 「規則の想定を超えてしまった」というのに、引っかかる。

 性善説な建築確認審査と同根の臭いを感じる。

 常に電気が供給され突発事故・災害もないことに、しゃくし通りな考えしかしていないのでは。過密都市の満員電車では「満員」ではなく「過積載」なのである。

 悲惨な事故は、extreamな状況でこそ、起こりうる。