科学未来館の挑戦

 「子ども」市場と「恋愛」市場は、大衆の消費を刺激する汲めどもつきぬ泉である。子どもには、育児、教育、お受験。そして、色気づき始めたら、ともかく何でも恋させればよいのである。”恋するブラ”なんてのは全然序の口で、”恋する部品製作所”なんてのもあり、である。

 そんな中で、出ました、科学未来館の特別企画展『恋愛物語展 − どうして一人ではいられないの?』。

 科学博物館の殻を破らんとする意欲的なネーミングと企画、実は、私は支持したい。昨今言われる若者の科学離れ風潮に対して、一矢報いて欲しい。

 ところで、恋愛礼賛がいくらあおられても晩婚・少子化問題も解決する気配がないのは、一見不可解である。あるのは、性の低年齢化、性の商品化、若年中絶の増加、若年性病の蔓延。

 これらは、「恋愛」至上(市場)主義の浅はかさの現れ。人間としての感情が恋をしているのではなく、動物本能としての発情が徒に刺激されているだけである。