某街の街頭キャッチアンケートに応じる。マーケティング調査会社が、あるFMCGブランドに関しての広告イメージを尋ねるもの。

 街頭キャッチは、首からプライバシーマーク証をぶら下げたを中年女性。いくつかの事項をチェックシートを使いながら調査適格かどうかふるい分け(スクリーニング)を受ける。すなわち、

  • 街頭、訪問、ネットで過去1年以内に回答したことはないか
  • ペット水の購入頻度
  • これまでの使用したことのあるFMCGブランド
  • 今回の調査目的である あるFMCGブランド を絶対拒絶するような性分を持っていることはないか。
  • 性別・年齢階級・在住都道府県

 街頭キャッチアンケートは、無作為抽出調査ではなく、その街のその時間帯をたまたま日中出歩いていた「その気」のある人に偏った調査である。それでも、性別・年齢階級・在住都道府県を確認することで、事前に設定した属性ごとに一定数の標本を確保する quota sampling として実施しているのか。

 ところが、街頭キャッチの女性が、アンケート会場である雑居ビルの事務室へ移動するエレベーターの中で、言ったことには

  • この年齢階級はいっぱいだから、こっちの年齢階級にして下さい。
  • 同一世帯からの回答は無効になってしまうから、お名前を名乗るときは旧姓にして下さい。住所も、前に住んでいたところにしていいですから。

という、掟破りな指導が横行していた。


 アンケートは、雑居ビルの事務室でその調査会社の社員とおぼしきものがCAPI。これからすると、さっきの街頭キャッチ女性は、この調査会社が雇った人狩り専用のアルバイトというわけか。

 アンケートは、まぁ、それなりに。

 アンケート終了後、お目当ての商品券。その商品券の受領時には、氏名と可能な範囲で住所の記帳を求められる。

 その記帳先はA4判の紙なのだが、30人くらいの名簿形式となっている。私以前に商品券を受領した人の名前と住所がずらり。傑作なことに、この受領名簿には、しか と、プライバシーマークが輝いている。

 私がここに記帳するのに、他人の氏名、住所を見せられる必要はないんだけど。思わず「母留美津久 東京都江東区夢の島」と書き付けてしまいそうになった。さすがにそこまではしないけど。