「一線を越えてしまった年」としての、2014年
黒田バズーカ、GPIF資産構成(ポートフォリオ)見直しのあった2014年。
Bloomberg.co.jp 12月25日から。赤字は筆者による(以下同)
2年国債入札、落札利回り初のマイナス金利-オペや海外勢需要で (1) - Bloomberg
2年物利付国債の入札で、平均落札利回りがマイナスとなった。期間が1年を超える利付国債入札でのマイナス利回りは史上初めて。日本銀行の国債買い入れによる需給逼迫(ひっぱく)や海外投資家の需要の強さを反映した。
財務省が25日に実施した表面利率0.1%の2年利付国債(348回債)の入札結果によると、平均落札利回りはマイナス0.003%となり、3回連続で過去最低を更新した。最高落札利回りはゼロ%と2回連続で過去最低となった。
2年物国債の流通市場では、346回債利回りが11月28日にマイナス0.005%を付けたのを皮切りに投資家の買いが一段と進み、347回債利回りは12月19日にマイナス0.04%と過去最低を更新した。東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、日銀買いオペによる利回りの自然落下を背景に、「マイナス利回りで決着する公算がある」とみていた。
東短リサーチの寺田寿明研究員は、日銀が残存期間1年から5年の銘柄に対して、2年債と5年債の発行額に匹敵する買い入れを行っており、マイナス金利でも安心して落札できると話した。「ドル・円ベーシススワップのマイナス幅縮小も、海外投資家はまだマイナス金利でも購入できる」と指摘する一方、国内投資家は「ここまで利回り低下の過程では短期国債から資金シフトあったが、ゼロ%やマイナス金利では買わないだろう」と語った。
利付国債をマイナス金利で応札すると、受け取り金利を超えるコストを払って債券を購入することになり、償還まで債券を保有した場合の回収額は購入額を下回ってしまう。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジストは、「マイナス金利で落札しても、日銀がオペを通じてさらに低い金利で購入してくれるという前提があるので応札できる」と説明する。
海外投資家は、日本国債利回りがマイナスでもドル建て金利との交換取引などを組み込むことで妙味のある利回りが確保できるとの見方がある。みずほ証券の吉松恵子マーケットアナリストは「海外勢による通貨スワップを組み合わせた取引がマイナスでの購入を可能にしており、それなりのニーズはありそう」だと指摘していた。
一方、12月27日の日経から。国内投資家である日本生命から。この件について、日生ウェブは、これまでのところリリースを出してはいない。
日生、一時払い終身保険など販売停止も 社長「低金利、運用厳しく」
生保最大手の日本生命保険は26日、長期金利の低下が止まらない場合、一時払い終身保険を含む貯蓄性商品の新規販売を一時停止する検討に入ると明らかにした。日生の筒井義信社長が「金利環境は非常に厳しい。保険商品の引き受け停止も視野に入れておかなければいけない」と語った。保険料を国債で運用しても十分な利回りを確保するのが難しくなるためだ。
生保が主に投資対象にしてきた超長期国債の利回りは26日、20年物が一時1.025%、30年物が1.225%と1年8カ月ぶりの低水準になった。筒井氏は「金利が上がると想定しづらい状況にある」と指摘。貯蓄性の保険商品について「一定の基準に抵触したら契約者に約束する利回り(予定利率)を下げる。販売停止という判断もあり得る」と話した。
日生は4月時点では14年度末の長期金利の中心値を0.9%とみていたが、日銀の追加金融緩和を受け0.5%に修正した。足元の金利はこの水準も下回る0.3%台だ。筒井社長は集めた保険料の運用では「もはや、国債には投資できない」とし、為替リスクを回避(ヘッジ)した形で外国債券や社債、インフラなど成長分野への投融資に力を入れる考えを示した。
保険各社も国債投資を手控え外債などに資金を振り向けている。明治安田生命保険は2014年度下期に最大5千億円程度を外債に投じる計画だ。