I love you & I need you ふくしま
故郷にある、あってあたりまえだと思っていたもの。それは、実は自分にとってかけがえのない、愛おしいもの。
春にラジオから流れてきた 猪苗代湖ズ「I love you & I need you ふくしま」という曲。耳に付いて離れなくなってしまった。
そのあげく、9月、LIVE福島 風とロック SUPER野馬追 の会場に、福島とは縁のない私が泊まりがけで足を運んでしまうことになった。
ライブ会場で、よそ者の私も混じって、「I love you & I need you ふくしま」を、私も絶唱。猪苗代湖ズのメンバー サンボマスター山口隆のアジテーションが心地よい。一歩引いて見てみれば、山口のアジMCは音楽、ライブ活動で彼が獲得した老練な演技技術なのだろうけれども、それもよい、それに身を任せて、乗せられて、絶叫。
一体何なのだろう。
「I love you & I need you ふくしま」の歌詞を初めて聞いたとき、単調で、単純で、つまらないようにおもえたのだけど、でも、それでも、なんだか、引っかかる。
LIVE福島につながる関連楽曲、だっぺズとナンバーザ「予定」でもそうなのだが、結局こういうことのなのだろう。
故郷にある、あってあたりまえだと思っていたもの。それが、実は自分にとってかけがえのない、愛おしいものだった。
故郷にいて、または、故郷を離れて、急にそんな思いに気づかされた。素人なら、それをもどかしい形で表現するにとどまるんだろうけど、それをこんな肩の力を抜いた形で、けれども、静かに染み入るように唄の形で表現してくれたんだろう。
だから、この曲は、福島を歌いながらも、ある意味、普遍的に故郷を歌う唄。
まして、避難したくても避難できない人、避難したくないのに避難させられてしまう人、言われもない非難を受けている人、危険なのにとどまっている人、にとっての福島。こんなことを思いながら、「I love you & I need you ふくしま」を思い出してみる。
「I love you & I need you ふくしま」がLIVE福島でステージと会場が一体になって絶唱される。
そんなシーンを見て、ある人は「福島は大丈夫、やれるじゃないか」と言う。
よそ者の私には、そんなことは軽々には言えない。
それでも、私は思う。福島のことは忘れない、福島のことを、この曲ともに、思い続ける。
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利益の全てを、故郷である福島県の「福島県災害対策本部」に義援金として寄付する。