「定額給付金」批判に反論 消費刺激する効果大きい

 バラック・オバマならぬ、ばらまき・おおぐち さんがお答えします。

公明党サイト http://www.komei.or.jp/news/2008/1106/12946.html

定額給付金」批判に反論
消費刺激する効果大きい

 公明党ホームページで配信中のウェブTV「お答えします」では、大口善徳総合企画室長(衆院議員)が、「生活支援定額給付金」への批判に対して反論している。要旨は以下の通り。


Q 定額給付金になった理由と、減税との違いは。

A 給付の方が、経済に集中的に効果を表せます。減税では実施時期がバラバラで、効果が間延びする印象があります。また課税最低限以下(低所得者)の方も、減税では恩恵が受けられません。臨時福祉特別給付金も考えましたが、なお恩恵が及ばない方が1000万人以上います。そこで幅広い方々に恩恵が及ぶ給付方式で実施することになりました。


Q 具体的な支給額は。

A 総額で2兆円規模。(公明党としては)一人当たり1万2000円程度で、15歳以下の子どもと、65歳以上の高齢者には1万円の加算も検討してます。*14人家族で15歳以下の子どもが2人の場合、6万8000円程度になると見込んでいます。


現下の経済情勢に対応
所得制限も検討課題に

Q 高額所得者にも給付金は支給されるのか。

A 国際投資資金の暴走で物価が急騰しました。賃金も上がらず家計は本当に痛んでいます。特に所得の低い方の痛みは大きい。緊急に家計支援をする定額給付金なので、高額所得者にまで支給する必要はないのではないか。私どもは所得制限ということを考えています。


Q 経済効果を疑問視する批判が根強いが。

A 1999年に地域振興券を実施した際も、同様の批判がありました。しかし当時と今は、全く経済状況が違います*2。当時は貯蓄率が10%もありました。今は3%程度で、貯蓄に回す余裕もありません*3。なお、公明党のルクエストにより対象のうち子どもの範囲が広がったことにより、子ども・高齢者加算額は1万円から8000円に減額をさせている。

6割近い方が生活が苦しいと言っています*4。今回の給付金は、ほとんどの場合、消費に回ると考えられます。*5

 経済効果も、日銀が08年度の成長率が0・1%、09年度の成長率が0・6%と発表しています。このように0%近くで成長率が動いている中で(給付金による)効果は大きいと考えます。*6


Q 財源は大丈夫か。

A 赤字国債は発行せず、財源は財政投融資特別会計のうち、今年(2008年)度、国債整理基金に移した9・8兆円(の一部)を、定額給付金に回します。*7


Q 定額給付に充てる2兆円を、社会保障費などに使うべきでは。
文庫改訂版 あの金で何が買えたか―史上最大のむだづかい’91~’01 (角川文庫)
A この2兆円は痛んでいる家計支援に使いますが、新しい経済対策では介護従事者の処遇改善として月額2万円の給料アップなど、10万人の介護人材の緊急確保策も盛り込みました。また妊婦健診も、今は全国平均で5・5回まで無料ですが、14回無料にすることも明記し、出産・子育て支援などにも取り組みます。*8

*1:報道によれば、公明党のリクエストにより18歳以下の子どもにまで拡大を図り、その結果、子ども、高齢者に対する加算額は8000円に目減りした。

*2:ばらまき・おおぐちさんは、地域振興券当時に受けた批判は経済政策として失敗だった、と認めているように見受けられる。

*3:貯蓄率の出典が不明であるが、貯蓄率の低下は人口高齢化に伴う無職者(貯蓄を取り崩すことは不可避)の増加が最大要因。

貯蓄率低下は、高齢化社会では抗(あらが)いようのないものであるが、それでも高齢無職者の貯蓄取り崩しの速度を緩和しようとするのであれば、せめて高齢者の年金不安に答えることこそが求められる政策。定額給付金という対象者の焦点の定まらない施策は、的を射たものといえるだろうか。

*4:生活が苦しいとするデータの出典が不明。ばらまき・おおぐちさんは貯蓄率や成長率を時系列比較して論じているのに対して、生活が苦しいというデータは過去の数値と対比しておらず、この点については都合のいい数字をただ押しつけるだけの恣意的な議論をしているように見える。

*5:「ほとんどの場合」とはどんな場合なのか、まったく不明。独りよがりの議論。

*6:与謝野大臣(経済財政政策)は、10月31日朝の会見の時点における試算として、定額給付金は実質GDP0.1%程度の押上げ効果、と言っている。ばらまき・おおぐちさんの大きい、とはこの程度のこと。

*7:現在の財政状況下において国債整理基金に手を付けることは大丈夫なのか、という疑問には何の回答にもなっていない。

*8:医療費無料化が引き起こしているコンビニ受診(そして、いわゆるモンスター・ペイシェント)が、医療現場の疲弊の一員となっていることについて、どのような認識をお持ちなのか、ばらまき・おおぐちさんに伺いたい。

未検診出産者を減らそうとしても、出産に責任を持つ気のない親(すべてがそうとは言わないが)をのさばらせることにならないか。その後の、育児について誰が責任を持つのか。

ああ、そこでさらに、小児医療無料化というダメ押しばらまきっていう、オチにならないオチでしたね \(^_^)/