足を運びたい。「シネマヴェーラ渋谷」

 今になって知ったのだが、この年初に、渋谷発の名画座ができていたのだそうです。シネマヴェーラ渋谷。http://cinemavera.com/essay.html?mode=detail&no=6
小津特集 2006/06/02)から引用。

 シネマヴェーラ渋谷の存在意義のひとつとしてかねがね考えていたのは、昔の銀座並木座のような、「1年に1回は名作が上映されている映画館」の再現です。思えば並木座は、マンネリの批判をおそれることなく、年に一度は小津をやり、成瀬をやり、黒澤をやり、溝口をやっていました。
 もちろん、DVDが普及し、BS/CS放送が普遍化した現代に、かつての並木座そのままのプログラミングが通用するとは思ってはいません。まあ並木座に比べてシネマヴェーラの提供できる優れた点としては、スクリーンの大きさと見易さ(並木座というのは、客席の中に巨大な柱が立っていて、座る位置によってはスクリーンがひどく見にくかったものです)、ゆったりとした座りごこち、椅子のクオリティといったもので、それらひとつひとつは、何というほどのものでもないのですが、しかしそうしたものの総体として、映画館での映画鑑賞の楽しさというものを、お客さんに満喫してもらいたいのです。ホームシアターに対して我々が提供できる対抗的な魅力といったら、結局のところ、そうしたものでしかないじゃないですか。

 銀座にひっそりとあったあの並木座。そこの、あの柱よ。あたしゃ一人ほくそ笑み、そして涙を絞りましたね。館主は、「ひどく見にくかった」と苦言をいいつつも(そりゃあの柱は弁解の余地はないけど)、でも、並木座並木座の持つ空気、に対する思いがなんか伝わってくるものがある。

シネマヴェーラ渋谷 | 劇場案内

 私たちを育ててくれた、新宿昭和館、銀座並木座大井町武蔵野館、三鷹オスカー、蒲田東映、ニューヨークのサリア・ソーホー、そして渋谷の全線座などの、多くの消え去った名画座たちの記憶に、シネマヴェーラ渋谷は謹んで捧げられるものです。そして今なお健在な、東京の名画座たちと近代美術館フィルムセンターへのリスペクトと感謝をこめて。

㈱ダッサイ・フィルムズ シネマヴェーラ渋谷 館主・編成  内藤篤

 大井町武蔵野館もなくなってしまっています。

 渋谷の映画館、足を運ぶようにして大事にしないと。