サルヂエ

 視聴者に考えさせて想像力を刺激する、ということがなくなったんでないか。

 深夜枠のチープな時代のサルヂエしか知らない私が、ゴールデン枠に移行して、かつ、スペシャル版のサルヂエを見た感想。

 最近のはやり言葉の「脳力」指向を取り込んでいるのはわかるけど、高額スポンサーがついて番組制作費がじゃぶじゃぶあると V (挿入ビデオ)が過剰演出のきらいになってしまっている。わずかな言葉とじらす時間で視聴者を楽しませてくれた以前のテイストを返して欲しい。

 サルヂエにせよ、トリビアの泉にしても、広告費が多く付いたからといって、番組制作費をそのまま湯水のように使おうと思う必要はなく。

 その番組の広告費は、その番組の番組制作費の中で多少華美になっても使い切ってやろう、という発想で資源配分ているようであれば、年度末に予算を使い切ろうとする役所のことを指弾する資格はないだろう。番組制作費を浮かせて、何かの社会貢献に使うなり、他の、意欲のある質のある番組に移転するなり。

 映画の世界では、低予算映画、ローバジェットムービーがヒットすると、内容面の評価とともに、低予算でよくぞ、という点でも一目置いてもらえる。そんな単発企画の映画と違い、テレビは継続企画であるため、金があれば使いたくなるというのは自然なことかもしれないけれども、禁欲、ストイックさは持てないものか。