政策形成に使われるネット調査

独立行政法人建築研究所 2006.04.26 「共同住宅における防犯に関するアンケート調査集計結果概要」の公表についてから

 独立行政法人建築研究所では,住宅・都市の防犯に関する研究の一環として、共同住宅の防犯対策の状況や、居住者の意識について把握するため、平成17 年12 月に「共同住宅における防犯に関するアンケート調査」を実施いたしました。この度、集計結果を取りまとめ、その成果を広く活用していただくために、当所ホームページにて公表することにいたしました。

共同住宅における防犯に関するアンケート調査」
1.調査概要

(3) 調査対象
ある民間調査会社のモニタのうち、共同住宅に居住する519 名
(4) 調査方法
インターネットによるアンケート。ホームページで設問を提示、回答。

 このネット調査は、(財)ベターリビング、(財)全国防犯協会連合会、(社)日本防犯設備協会の名前で策定された基準に利用されているという。

 なお、本研究で得られた知見は、警察庁及び国土交通省所管の公益法人が策定した「防犯優良マンション標準認定基準」(本年4月20日公表)にも反映されております

 予算が限られている中でネット調査は簡便な方法を提供するものである。

 そのネット調査には2種類ある。モニタを男女、年齢階級、地域、就業状況等が日本の縮図になるようにコントロールした一定の数のものを対象にしてそこから回答を回収するネット調査と、単純にモニタなら誰でも回答を集めるものと。

 後者であれば、それは意見を言いたい人、あるいは小遣い稼ぎ目的な人だけが回答しているネット投票であり、世論を代表するものといえるものではない。

 前者であっても、回収率がある程度確保されていなければ、実質、後者と変わりない。
 建研による調査概要にある説明ぶりでは、このネット調査の結果がどの程度妥当な標本から得られたものなのか、見当が付かない。