予算案を修正することは まれ な日本の国会

 国会議員 (講談社現代新書 (770))江田五月 講談社現代新書1985)は、本人のウェブサイト上で全文公開されている。そこから引用。

 国会は、時間と費用に対して、どのような成果物を出しているのだろう?

国会議員/密室で行われる予算修正過程

 国の唯一の立法機関でありながら、実際には内閣提出議案の承認機関の様相を呈していることは、すでに触れた。

 その典型となっているのが予算審議である。…国会による予算修正も当然可能である。

 ところが、予算の修正はめったにない。昭和五十二年、福田内閣当時のこと、与野党伯仲状況の下、全野党の「一兆円減税要求」をつきつけられた政府が、渋々ながら若干の修正をした。これは、内閣の編成した予算の数字が変更されたので、画期的なことといわれた。昭和五十四年には、内閣提出の予算案が衆議院予算委員会で否決され、やっと本会議で逆転可決された。昭和五十九年には、パート減税で小幅修正された。しかしいすれも数字の書きかえまではいっていない。「与野党伯仲国会」の下でも、予算実の修正はきわめて稀なのである。

 ところが、これはどまでに修正されにくい予算案が、国会に提出される前の段階では、コロコロ変わるから嫌になる。