トリノオリンピックをつまらなくしたのは、テレビなのか?

 テレビが、やれメダルだなんだと日本人選手を持ち上げあおるから、トリノオリンピック観戦をつまらなくするのだ、という説が世にあるらしい。

 その説は、本当のことを言っているのだろうか?

 今回のトリノオリンピックのことを面白く思っていないのは、テレビ局関係者、マスコミ関係者の内輪の世界に過ぎない気がする。

 テレビスタジオの中のよどんだ空気を、お茶の間(もし現代にまだあるとするのならば)にまで運んできて欲しくない。

 さて。朝日新聞24日夕刊が、荒川静香が女子シングルフィギュアで金メダルを取ったことを伝える紙面には、トーヨーライスが広告を打っていた。

 トーヨーライスはお米のJOC公式パートナーとして荒川静香を自社広告に使っている。荒川静香はこれで広告ギャラが跳ね上がるというスポーツ新聞の見出しを目にもした。

 つまるところ、オリンピックとは、メダリストという新しい広告塔の製造工場。

 近年では細分化、分断化された広告セグメント、それを横断する老若男女の人目を引くワイルドカードなキャラの登場が待ち望まれている。ワイルドカードなキャラは、高額ギャラでもあり、とてもうまみがある。

 さて、現状はというと、メダリスト不作である。メダリストがいないと広告業界にとって広告売上増大期待がしぼみ、テレビ局関係者、マスコミ関係者もしらける。

 私たちにあてがわれているテレビ/新聞観戦の経済的構図を描いてみると、そんなところなんですかね。

 あ、政治的にも利用しようという動きがありますね。誰かさんが2分間荒川静香に電話したとか、賞をさし上げようとか。