テレビドラマの作り手
チャンネルをがちゃがちゃ回している手を止まらせたのは,落語をしている西田敏行の姿。しかも,落語をすることはなかった笑福亭鶴瓶と絡む(彼が落語をするのは最近になってからのこと。鶴瓶は,「東京上空いらっしゃいませ」でもいい役を演じている。)。
テレビドラマ「タイガー&ドラゴン」(TBS系)は,寄席に若者が来るという社会現象までも起こしているという。
ドラマそのものもいいのだけれども,ドラマの作り手の意図に興味が湧いた。ここで作り手とは,磯山 晶プロデューサー(TBSエンタテインメント)。
番組ウェブサイトのプロデューサーインタビューから引用。
弟子が切羽詰まった時に師匠が隠れてフォローしたり、いない所でお互いを思いやってる、みたいなドラマを個人的にやりたかったんです。(インタビュー2/17)
キャスティングは本当にこだわりました。もちろん長瀬くんと岡田くんは絶対のこだわりなんですけど、西田さんと鶴瓶さんはすごくこだわりましたね。(同3/17)
最初は、西田さんに出演交渉をする為に脚本を持って行きたいと宮藤くんに言ったんです。(同1/17)
密着日誌クランクアップによれば,西田敏行も,鶴瓶も,それぞれまんざらではなさそう。
主演の長瀬智也のドラマに対する思い入れは,ここに記されたドラマ大団円に関する提案から読みとれる。
タイガー&ドラゴンは,1月放送のスペシャル企画番組(単発2時間ドラマ)の成功を受けて,4〜6月期の連続番組につながったのだという。
… そういう意味ではスペシャルはまだスタート地点だなぁと思いました。宮藤くんには私が最終的にどこを目指してるのかという事は詳しく言わなかったんですけど、「『晴れのちカミナリ』っていうドラマを見て!」ってビデオを渡したので、それを見てくれたからこういう結末になったのかもしれないですね。(同2/17)
kumayou666さんが d:id:kumayou666:20050624にまとめられている番組各回視聴率では,このテレビドラマは大ヒットではないかもしれないけれども,業界的には十分満足できるものなのでしょう。最初から視聴率を取りに行くためのジャニーズアイドルの存在があったことを上回って余りある成功を収めていることに,おめでとうございます。
このテレビドラマが持つ安っぽさと雑味は,キャスティングの妙により,また,落語を継ぎ目なく劇中劇化したことが成功していることにより,免罪である。