高速バス乗り場で、外国人観光客を困らせないで

 JR新宿駅の中央通路で、白人の旅行客、女性2人組に声を掛けた。スーツケースを引き釣りながら、道に迷っている。

"Keio Bus station"

 そう言われた。

 普通に考えたら、新宿西口ヨドバシカメラのところにある、あそこのことか?

 けど待てよ。

 京王と京葉をこの人は混同してはいないか?

 電車の京急や京成はあるが、京葉線JR東日本路線名
そもそも京葉なんていうものはあったっけ?
でも、あったらどうしよう?

"Keio or Keiyo? Keio 'O' or Keiyo ' Y O '?"

"Keio. O"

"Keio. O. OK"

 案外、Oと YO の、聞き分け、発音し分けは、難しい。

 さて、どうしよう。

 JR新宿駅の中央通路、目の前に見えるのは、3つ。

 京王線連絡口(下り階段へもぐっていく)、中央西口(出口専用)、そして、小田急線連絡改札口(ここはアリエナイ)。

 スーツケースを持っている人を階段(エスカレーターは、ない)へ誘導したくない。けれども、中央西口を出たところに、「京王バスステーション」の案内看板(アルファベット)は、あるのか?

 見にいってみる。

 そんな看板なぞ、ない。

 ええい、すまぬが、一緒に京王線連絡口を行きましょう。付いてきて下さい。

 階段を下りて、廊下を渡り、階段を上がる。

 さて、JR中央西口 兼 京王線JR連絡口 のエリア。

 おあつらえ向きに、京王線が INFORMATION の カウンター を設けてくれている。助かった。

 私から尋ねてみる。

「すみません、京王バスステーションに行くには、どうしたらよいですか?」

「路線バスですか?、高速バスですか?」

 え、そう来るか?

 さて、さて。

"Which destination are you going to?"

"Takayama"

 了解!

「高速バスの方です。」

「そうでしたら、そこの出口を上がって、交差点を渡ればすぐです。」

 そこの出口って、あの黄色の看板かい。

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「ありがとうございます。その案内をしてくれる地図って、ないんですか?」

「ありません。」

 おいおい。同じ京王グループなのに、バスステーションという乗換交通手段をを案内するのに、手ぶらでやっているのかい。

"OK. You see that yellow exit sign board? Go up, and you'll find Keio bus station. Have a nice trip."

"Thank you" 

 手を差し伸べてくれた。

 白人お姉さんと握手、という報酬。


 そんなことに気をよくしながら、別れて、自分の道を行く。

 さて、無事に、バスステーションについて、高山に行ってもらえるだろうか。

 念のため、裏を取っておこう。


 愕然(がくぜん)とする。

 彼女らは、京王バスステーションと言っていたものは、「高速バスターミナル」という名前だった。

 交通機関の起点の名前が、揺らいでいるのだ。

 しかし、もっと問題なのは、すぐ見える黄色い看板の出口の階段を使わせずに、その左隣の通路に進せて「MY新宿第二ビル」へ行かせるべきだったのだ、ということ。

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 上は、ハイウェイバスドットコム の ウェブサイトから持ってきた地図。真っ赤なエリアへ誘導させるべきだった。

 同じサイトのマルチリンガルページから、英語版から持ってきた地図。これでは、訳が分からない。
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 さらにゾッとしたことに、私が指示したとおりに、すぐ見える黄色い看板の出口の階段を上がらせると、どうにも訳の分からないところに出てしまうのだ。
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 これじゃ、あんまりだ。

 あんまりなことをしてしまった。私のことを信用、信頼して、安心して地上に出た彼女らのことを、また、迷わせてしまうことをしてしまった。


 新宿駅というターミナル、交通手段を乗り換える客が行き交う、ごった返す。

 日本語を読めたところで、訳が分からない。まして、日本語が不自由な人。