au iPhone買い替え備忘録 - 月半ばで機種変更をすることによるいくつかの落とし穴

 消費者としては、KDDI au に裏切られた、という思いは拭いきれない。

 2年前の9月半ば に iPhone 5s を発売と同時に手にして、そして、iPhone 6s を先月9月半ばに、切れ目なく、機種交換した。

 自分自身としては、auiPhone に対して なんともまぁ忠誠を尽くしたユーザだこと、と、思っていた。

 しかし、それはただの自惚れ(うぬぼれ)だった。auの関係約款は、私の甘い期待など、お構いなしに、いくつかの落とし穴を仕込んでいた。auの料金請求や割引の制度は、暦月(こよみつき)を単位としていて、月半ばで機種変更を行うユーザにとって、理不尽なものになっていた。そんな不快な思いをしたくなければ、機種変更は、暦月の切れ目に狙いを定めて周到に用意すべきだった。

 ポイントは、ともに2年縛りとなる、毎月割とテザリングの2つ。

- 毎月割: iPhone本体代金の24ヶ月の割賦払いの間、適用される割引

 iPhone本体の値段は高額であり、ノートパソコン相当か、それを上回る勢い。とはいえ、月々の電話料金から2,000円以上の割引を24ヶ月もしてくれる「毎月割」は、延べ割引額は50,000円相当のものになり、かなりのインパクトがある、ありがたい。

 そんなふうに思っていた私、この9月半ばにiPhone 6sに機種交換をした。

 そして、月が終わってから届いた9月分の請求書を見て、驚いた。果たして、24ヶ月目という最後の月の「毎月割」は、適用されていなかった。

 auのサポートに電話を掛けて、理由を尋ねた。

 説明では、そもそもの話として、2年前、機種交換する前の機種(私の場合、iPhone 5s)の「毎月割」が適用されていたのは、iPhoneを(月半ばで購入した)購入した当初9月ではなく、その次の10月になってからだったのだ、ということであった(実際、割引が10月になってからだった、と私も覚えている。)

 だから、今回の iPhone 6sへの乗換の際、9月の半ばで乗り換えてしまったら、24ヶ月目の9月分には「毎月割」が適用されることはない、のだという。「毎月割」は、あくまで暦月単位であり、1月(ひとつき)通しで該当する機種を使い続けることで適用され、割引が日割り計算されることにはならない。

 というわけで、月の途中で機種変更をすると、「毎月割」という特典は失われる。最終月であっても、月の途中で機種変したら、割引は無し。

 auウェブサイトの解説は、以下のこのようにある。今になって読めば、ああ、そうなのか、と思うが…。

毎月割 | 料金・割引 | iPhone 6s / iPhone SE | iPhone | au

※ ご加入いただいた「データ定額2/3/5/8/10/13」または「LTEフラット」が翌月適用となる場合、適用月の前月ご利用分から割引となります

※ 割引対象期間中に機種変更(端末増設)・一時休止・解約や「データ定額2/3/5/8/10/13」または「LTEフラット」からそれ以外のデータ(パケット)定額サービスへ変更または廃止された場合、変更お申し込み(サービス適用されなくなった月)の前月利用分をもって終了いたします。

 もう1つのポイント。

 -テザリングオプション: テザリングに係る追加料金を24ヶ月課金免除

 2年前の9月半ばに機種交換した iPhone5s から、本来は月500円かかるテザリングが2年間無料という特典を私は享受していた。

 ところが、今年の9月の請求書を見て驚いた。テザリング料500円が請求されていた。どうして、2年目の9月に500円を付加されるのだ。ずっと取っ払われるのではないのか。私は、キャリアを au のままで、iPhone発売と同時に切れ目なく機種変更をしているのに。

 私のショックは、別の意味でも大きかった。おかしいではないか、auに関する何かの資料(新聞かネット記事か)では、テザリング無料施策は24ヶ月の期限をなくしてずっと無料になった、とどこかで目にしてもいたのに。


 これも、auのサポートに電話して聞いてみた。

 理由はこうであった。テザリングオプションの課金免除、という特典は、「LTEフラット利用者」にとっては、24ヶ月限定のままであるという。そして、その課金免除の特典は、テザリングを月半ばからの利用したものであっても、日割りではなく、1月(ひとつき)分丸々のものとして扱われるのだという。

 また、テザリングが無期限で無料になってくれるのは、すべてのユーザを対象にしているものではなかった。

 月々の基本使用料を、通話定額サービスとパケット定額サービス「データ定額2/3/5/8/10/13」の両方の定額サービスを設定している客に限ってテザリング無期限無料になったのであった。

テザリングオプション | スマートフォン | au

 私は、買い替えたiPhone6sでも、パケット定額サービスのみの設定(LTEフラット)であり、通話・パケット双方の定額サービス設定とはしなかった。そのため、パケット定額サービス「LTEフラット」の私は、テザリングを使うために毎月オプションの料金を支払わなければならなくなった。


 以上の2つのポイントをまとめると。

 2年前の9月半ばの機種変では、テザリング無料の特典は9月から行使していることにさせられていて、「毎月割」適用は10月からの適用だった。

 そして、今年9月半ばの機種変。テザリング無料の特典は、その前の8月で満了したことにさせられて、9月から課金されることになっていた。一方、「毎月割」は、24か月目の9月を使い切ることなく割引特典を返上してしまった。

 特典施策の適用期間が、噛み合っていない。

 このちぐはぐさ、いったい、なんなのさ。

 正直、不快である。

 メジャーキャリアによる携帯端末のSIMロック縛りからいよいよ解き放たれることにある「6ヶ月後」。それが、今から待ち遠しい。