ヘルスケア統合測定環境 - 日本市場の混迷・ガラパゴス・中途半端さと、世界市場の先行き

 体重、体脂肪、

 血圧、
 
 食物・水分摂取、…

 歩行、階段上り下り、

 睡眠、


 これらの日常の人の活動を統合的に継続的に測定する要素技術が、ハード、ソフトとも、立ち上がりつつあることに、最近気が付くようになった。

 2013年9月、Appleが開発したM7モーション・コプロセッサ。加速度センサー、ジャイロスコープ、コンパスから送られるモーションデータを測るタスクをメインプロセッサに代わり処理してくれるこのコプロは、iPhoneの上位機種 5s のみに搭載され、5cには、積まれていない。なんだろう、これ。

 そのうち、活動量計という見慣れない言葉を目にするようになった。JAWBONE UP/UP24という 黒いうどんみたいな短い ひも 状の腕輪。何のインターフェースも見当たらないのに、万歩計になってくれるという。しかも、就寝時のレム睡眠・ノンレム睡眠を区別して、もっとも寝覚めのよいタイミングを見計らってバイブレーションして起こしてくれるという。そんなもの、ドラえもんの秘密道具の世界じゃん。

 でもJAWBONE UPって高い。代替製品ってないの?

 FitBit Oneというものを見つけた。小さなお守りみたいなもので、就寝時にだけ、専用の帯に格納して腕に巻き付ける。腕に四六時中何かを絞めているのが嫌な私にとって、これは好都合。睡眠の質を区別して測ってくれる睡眠量計の役割も果たしてくれる。しかし、レム睡眠・ノンレム睡眠のタイミングを見計らって起こしてくれる、という機能までは付いていない。惜しい。

 ところが、FitBitには、他にも商品バリエーションがあってFitBit ariaという体重・体脂肪計が出されている。これを使えば、活動量計と、体重・体脂肪計の情報をBlueToothiPhoneアプリに集約、表示、分析、ソーシャル比較ができるという。

 これって、Appleオンラインストアで見たWithingsiOSデバイス連携してくれる体重・体脂肪計よりもスグレモノじゃん。すげーぇ。けれども、値段についても、FitBit ariaはWithingsよりも上回っている。

 口コミ評価を探すと、FitBitのアプリは、食事記録機能もあるのだが、日本の食品メニューに対応していないというのが不満としてあげられている。ふむ。

 そういえば、JAWBONEもFitBitも、洋モノ。高いし。amazon.co.jpよりもamazon.comから買い付けた方が、FitBit ariaは安い。

 国産はないの?タニタオムロンはないのか。

 あるには、ある。けれども、タニタの体組成計・体脂肪計は、androidのみの対応。日本メーカーでも世界市場に目が向いているブランドのはずなのに。NFCに乗っかる、というのはわかるけれども、iPhone対応がなければ市場の2大勢力のもう片方を逸してしまう。

 オムロンも中途半場、Win Mac両対応って言ってくるくせに、これらPCには物理的接続を要求。スマホは、androidのみ。睡眠計・ねむり時間計は、レム睡眠・ノンレム睡眠を区別した起床機能もあり、android/iPhone両対応だが、枕もと設置型のみ。私が欲しいのは、体接触型の方なのに。

 オムロンも活動量計を出しているが、睡眠量計の役割は持たされていない。商品カテゴリの食い合い、カニバリズムを避けてるのか。デザインも、JAW BONEのようなファッション性がなく、魅力に欠ける。世界商品として売っていこうという気概が感じられない。

 うーん。だいたいからして、オムロンのウェルネスリンクって、ずっと以前から興味あるのだけれども、なんだか、踏み切る、飛び込む決断が付かないんだよな。これだけ、リンクしてくれる商品群を幅広く展開しているくせに。商品の中には、デザイン性に優れたものもあったりはするが。私の計測、装着ニーズを満たしてくれないだなんて。残念。

 kakaku.comには、活動量計や体脂肪計・体重計のカテゴリが設けられていて、見たこともないメーカーがあったりするが、弱小のものなんてつかみたくない。

 amazon.co.jp上で商品ネットサーフィンをすると。

 おお!

 株式会社エー・アンド・デイ。渋い。iPhone / iPadにつながるBluetooth内蔵 血圧計、体組成計、活動量計という品揃え。商品カテゴリとして、ICT健康機器という設定。この会社が、目指している視点がわかる。しかも、エー・アンド・デイが優れているように見えるのは、この会社の製品群のデータの出力先は、特定のアプリケーションに縛られておらず、オープンになっているように見えること。

 BPnote。AppStoreに登録されているけれど、これは、個人による開発、企業組織化されていない。

 HEALTHPLAYER。マルチベンダー・マルチデバイス対応のヘルスケア アプリケーション プラットフォーム。そうそう、こういうオープンなものがいいんだよ。開発元は、株式会社 プラクテクス というベンチャー。この会社は、世界を目指しているのか?今のところ、日本政府の健康関連補助事業にぶら下がる形での事業展開が目立つ。

 ウェブで少し探してみると、ヘルスケアオープン環境は、Continua Health Alliance コンティニュア・ヘルス・アライアンスという企業連合があることがわかった。ウェブサイトは、英語、スペイン語、日本語で展開。活発なのは英語版サイト、5月には世界大会開催の案内がある。一方で、日本語版は、半年以上更新がなく、生体反応が感じられない。

 このアライアンスにはそうそうたる世界ブランドの名が並ぶ。おお、実は、A&Dのロゴがここにある。その割りには、マーケティングが弱いぞ。アライアンス加盟のコストを回収する気はあるのか!がんばれ。practechsは、…見当たらない。縮小均衡の極東の国しか、目が向いていないのか。ここは。課題先進国という掛け声は威勢がいいが、政府補助事業は、対象自治体にも、連携企業も、目先の高齢化だけを見ているのではジリ貧。世界へ目を向けさせなければ、未来へthriveできない。課題に対するソリューションを世界市場に展開することにつなげるのであればこそ、その掛け声には価値があるのだ。

 ウェブでもう少し探してみると、gooからだログ、というのを見つけた。gooワンビリングと似たような臭いがする。gooは、国内で一定のマスを獲得しているが、世界に目を向けていない。だから、いつも、いつも、残念に終わってしまう。

 ドイツには、Medisana がヨーロッパ市場を相手に、A&Dに輪を掛けた商品展開をしている。血圧計、体組成計、活動量計に加えて、体温計、血糖値計もカバーしている。しかし、この会社は、 Continua コンソーシアムの中に名前が見当たらない。

 あーあ。

 ヘルスケア統合測定環境のために消費する意欲。私の中では沸々と高まっているのだけれども、アメリカ系企業による囲い込まれた製品群環境の方が、デザイン性に優れているから、世の注目を集め、勢いを加速しているように見える。

 これって、既視感、デジャブがある…。

 あ、Apple