OECDの幸福度指標

 幸福度研究をしているのは日本だけでなくて、OECDでもやっている。

 そのウェブサイト OECD Better Life Initiativeでは、Life Satisfactionという指標をかかげている。OECD Better Life Index

 このページによれば、この指標の基になる情報源は、民間世論調査機関 Gallupの World Pollからだという。

 ハンガリーポルトガルが、下位になっているのが、残念ながら推して知るべしだが、エストニアがどうしてワースト3なのか、解せない。

 日本、韓国は、ワーストから見て第1四分位点にあるが、だからといって、第3四分位点に位置するイスラエルについては複雑な思いを持たざるを得ない。

 この指標の尺度は、0から10までの数量で行われているが、この数からして意味をくみとることは難しい。

 このページによれば、生活満足度は主観的なものになるがそれでも重要である、という断りを入れた上で、指標の評価、解説をしているが、こんな無駄な作業に労力と知力が割くよりももっと有効なことに使った方がいいはず。

 下位にあるハンガリーポルトガルギリシャなどで必要なことは、よくわからない指標の開発よりも、社会経済政策に関する立案と決断じゃないのだろうか。それがわかれば苦労しない、というのも、一理あるが、だからといって、無駄な作業に逃げ込んで仕事をしているつもりになってもらうような政府は願い下げである*1

 この指標開発の虚しさをだめ押しするのが、グラフ。

 ファンシーなお花をあしらっているが、国名を表するための茎の線が、指標の高低に対して下駄を履かしている。花びらなどに至っては、意味不明。

*1:大学レベルでの社会学的検討には注目していたい;希望学。そこから何かしらの果実が得られたらそれを政策に生かすことになることはよいと思うが、今はそこまでには至っていないのでは。