統計

孤独死統計

孤独死に関する業界統計を、一般社団法人 日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会 がまとめている。 これまでに、4回出されており、第1回以降のデータが積み上げられていっている。ケース数は、直近の第4回(今年5月)までの、2015 年 4 月~2019年 3月の…

高齢化が進む日本における 貧困線: 国民生活基礎調査における可処分所得中央値の推移

貧困分析に関する議論が近年進む中、厚生労働省が6月27日の平成28年国民生活基礎調査の結果が出した。 厚労省の発表を受けて、大手マスコミは、相対的貧困率が12年ぶりに低下した、「改善」した、という見出しを付けた。 一方で、Yahoo!ニュース「個人」の、…

NHKニュースのグラフ、露骨な印象操作

昨日のNHK 夜 7時のニュース、TICAD アフリカ開発会議の開幕に関連して、アフリカへの各国の「投資額累計」について。 日本 100億ドルに対して、イギリス593億ドル、フランス518億ドルであることを説明。 5,6倍も差があるのは、英仏は、歴史的にはアフリ…

血液型性格判断を授業に導入する沖縄県立普天間高校

平成27年度「英語教育実施状況調査」の結果についてに関して、現地取材をした 日経新聞 の16日(土)から。(以下、赤太文字は、筆者による。) 「英語立県」沖縄 本当に最下位? 高校生英語力調査 英検準2級取得は多く 教員の主観影響も 文部科学省が4月…

共働きと虐待の関係

こんな見出しのウェブ記事。 共働き家庭ほど虐待は少ない 通説と逆の結果が出た - 被害率最低は鹿児島、最高は大阪。育児の孤立化がリスクになる 日経DUAL 子育て・教育2014.05.09 http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=2612 何だか違和感。 「共働き家…

ダブルケア人口の推計基データ

ダブルケアに関して、25万人いる、と推計したとされる内閣府。その元ネタは、男女共同参画局の「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」によるもの。http://www.gender.go.jp/research/kenkyu/wcare_research.html 内閣府委託調査 平成 27 年度 …

「結論」に飛びついてよいのか? "農業者は高齢でも元気"

こんな見出しの記事を見つけた。「農業者は高齢でも元気 支出額2割少なく 個人医療費を分析 早稲田大学の研究グループ」(2016/4/14 日本農業新聞) 元ネタは、こちら。 早稲田大学持続型食・農・バイオ研究所 - ニュース 16/3/28 実証研究「高齢でも農業者…

大都市交通センサス は、今回で終了になるのではないのか。

大都市交通センサス 、2015年が行われている。大都市交通センサスのオンライン回答は、必ずしも褒められたインターフェイスではなかったと思う。オンライン回答は、前回2010年でも行われたように思うが、この5年間の間のUXの進歩に、センサスのインターフェ…

出典の明記を、と加盟国から言われてしまった国連人権高等弁務官事務所特別報告者

児童売買,児童買春及び児童ポルノ国連特別報告者に対する申し入れ 平成27年11月9日(要旨) http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002626.html 外務省は,ブキッキオ国連特別報告者が記者会見で,「女子学生の13%が援助交際を経験している」…

政府からの独立性

毎日新聞13日「EU:ギリシャ支援合意 改革法制化が条件」で言われた「統計機関の独立性を確保」(以下の下線は筆者による)。 首脳会議に先立って11〜12日開かれたユーロ圏財務相会合では、チプラス政権が支援の前提条件として9日に提出した財政改革…

国勢調査で知る、思ってたより少なかった人口総数 - ミャンマーだけでなく、去年のドイツも。

日経8月31日朝刊記事から。 ミャンマー人口、実は5000万人 31年ぶり国勢調査 推計より1000万人少なく ミャンマー移民・人口省は30日、今春に実施した国勢調査の暫定結果を公表した。総人口は約5141万人で国際機関などの従来推計より1千万人以上、少ない…

都合のいいように使い分けられる、"世帯"の概念

今朝の日経、「変わる世帯、遅れる年金対応 -「共働き」「単身」が増加、多様化に堪える政策必要」及び「介護費、世帯分離の魔法 親子の家計分け「低所得」 」は、秀逸な記事。 社会保障を考える際のマイクロな基礎単位である"世帯"に関して、包括的、俯瞰的…

「サラリーマンのお小遣い調査」の調査方法

新生銀行 「サラリーマンのお小遣い調査 の調査方法 30年白書」(2012年)から。調査結果だけでなく、調査設計についても、キチンとまとめた誠実さには敬意を表する。 編集後記 30年間の「サラリーマンのお小遣い調査」を経て 1979年に開始した「サラリーマ…

ダウト!

今朝の日経から。 マンション世帯主、60歳以上が過半数に 国交省調べ 国土交通省は23日、マンションの所有者や管理組合を対象とした2013年度調査の結果を公表した。世帯主の年齢は60歳以上の割合が50.1%になり、前回の08年度調査から10.7ポイント上昇。マン…

ロングテールの議論における、標本調査の限界

統計データを扱うときには、数字を追うのではなく統計を読まなければならない。 日本経済新聞 1月9日朝刊 総務省の就業構造基本調査によると、10代の起業者数は12年に全国で800人。リーマン危機前の07年に比べ100人減った。ただ、逆風の中で10代女性の起業は…

胃カメラのリスク、子宮頸がん予防ワクチンのリスク

口から入れる胃カメラでの偶発症(事故のこと)の頻度は、0.025%。 ちなみに、交通事故死のリスクは約 0.03%強*1。胃カメラ偶発症のリスクと、ほぼ同じ水準。 一方、子宮頚がん予防ワクチンによる重篤な副反応の報告は、0.00010%か、それ以下。口から入れる…

日経参院選調査

日本経済新聞社が7月21日投開票の参院選の序盤情勢を探るために実施した全国世論調査の調査方法。 ■調査の方法 日経リサーチが7月4〜5日、福島県の一部地域を除く全国の有権者4万4565人を対象に電話で実施した。選挙区ごとの目標回収数を改選議席数1の…

ビッグデータ予想。実は、非常時に強みを発揮しうる。

今朝の日経1面特集記事データ 21世紀の新資源 社会・生活が変わる :日本経済新聞で取り上げていたビッグデータ事例の一つ、日銀マンらによる旅行業者取扱額に関するナウキャストは、この論文によるもの。(論文)景気判断における検索データの利用可能性 : …

マイナビニュースのお詫びから思う、統計リテラシー、メディアリテラシー

「お詫び」は、何のため? マイナビニュースのお詫びのことを、私はよく理解できない。 ネット上のある元記事を、自社サイトに一度掲載し、それを削除したことについて「お詫び」を出している。自社サイトページから該当記事を削除するだけではなく、明示的…

統計学が最強の学問である(西内啓)

統計学が最強の学問である作者: 西内啓出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2013/01/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 11人 クリック: 209回この商品を含むブログ (129件) を見る よかった。 新聞広告や店頭ポップを見て、自己啓発本ブームとビ…

「日本の大学で統計学科があるのは1つだけ」

日経朝刊、広告面から。 基調講演2 データに基づく意思決定に向けて 分析と決定の溝を埋める 情報・システム研究機構 統計数理研究所 副所長 教授 丸山宏氏 むしろ、データの分析結果を意思決定にどう結びつけるかが問われる。相関関係を因果関係と思い込ん…

「内職」、ピーク時の14分の1に 11年厚労省調査

日経朝刊から。 「内職」、ピーク時の14分の1に 11年厚労省調査 「内職」をする人はピーク時の14分の1に――。業者から家庭で簡単な作業を請け負う「家内労働者」は2011年10月時点で過去最低の約12万8千人となったことが8日、厚生労働省の調査で分かった。…

Garbage in, garbage out (ゴミからはゴミしか生まれない。)

日本経済新聞社 行動規範から 基本理念 「わたしたちの使命は、幅広い経済情報の迅速で的確な提供や中正公平、責任ある言論を通じて、自由で健全な市場経済と民主主義の発展に貢献することである。」(以下、続く) 日経新聞の経済情報の最近の幅の広さには、…

幼稚なキュレーター 日経

私には、有償購読の日本経済新聞と、フリーペーパーのR25との区別がつかなくなってきた。 最近の日経は、ネット投票をオカズにする Gabage in, gabage out な記事が頻出している。 今日の日経朝刊社会面から(太字は、見出し。赤着色は、筆者による)。 震災…

本当か?世帯所得と生活習慣の有意性

厚生労働省が、所得と生活習慣の相関関係について、意欲的な分析をしている。 平成22年国民健康・栄養調査結果の概要〈所得と生活習慣等に関する状況〉 ・世帯の所得が600万円以上の世帯員と比べて、200万円未満、200万円以上〜600万円未満の世帯員は、女性…

政策評価と社会実験

「その数学が戦略を決める」の第3章「確率に頼る政府」から。 この条項によれば、州は失業保険料の支払いを引き下げる新しい方式を実験してもいいが、それはそのアイデアが「実地試験において無作為に割りあてられたプロジェクト参加者と対照群を含む」評価…

幸福度について意見求む

幸福度に関するアジア太平洋コンファレンス Asia-Pacific Conference on Measuring Well-Being and Fostering the Progress of Societies http://measuring-well-being.asia/jp/ 会議の成果文書についてのご意見がございましたら、こちらのサイトより本年12…

OECDの幸福度指標

幸福度研究をしているのは日本だけでなくて、OECDでもやっている。 そのウェブサイト OECD Better Life Initiativeでは、Life Satisfactionという指標をかかげている。OECD Better Life Index このページによれば、この指標の基になる情報源は、民間世論調査…

政府広報の腰抜けグラフ - エビデンスから目をそらすな

今日の新聞の一面広告の政府広報「すべての国民の皆さまへ -社会保障と税の一体改革-」*1。 野田佳彦総理と、聞き手役の女性(小島慶子)の対談形式で、消費税増税の必要性を説く。 日本の年金制度は、高齢者が受け取る年金をその時の現役世代が負担するとい…

静かに進行する、政府統計のメルトダウン

統計データは、合理的根拠を持って施策立案を効果的なものとし、財政の効率化に貢献する。その意味では、プロフィットセンターとなりうるもの。 しかし、歴代の政府は、統計事業を、コストセンター(金食い虫)と見なし、統計調査予算の削減の手綱を緩めてい…